ドバイ表
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【トレセン プロ100人に聞きました ドバイ編】2014年ドバイワールドカップデー(29日=メイダン競馬場)には過去最多、最強の“八人(頭)の侍”が乗り込む。メダル量産の期待が高まる日本馬軍団に対するプロ中のプロの評価は!? G1恒例企画「トレセン プロ100人に聞きました ドバイ編」と題して、本紙は東西トレセン関係者に緊急アンケートを実施。果たして最も栄冠に近いとのお墨付きを得たチーム・ジャパンの“エース”ホースとは!?
7R=ドバイデューティフリー(芝1800メートル)
 当初は激戦を予想していたが、“開票結果”は意外にも62票の圧倒的な支持を集めた馬が出現。ぶっちぎりの1位に輝いたのはドバイデューティフリーに出走予定のジャスタウェイだ。

 パートナーの福永と仲がいい栗東のある助手は「ユーイチは“やばいぐらい具合がいい”とか、“このデキを保てれば突き抜けるわ”って、親しい人間には強気な発言を連発してますよ。昨秋の天皇賞がピークと思っていたらしいんだけど、そこからさらに上向いているのが大きな自信になってるみたい」。

 この変身に同調するのは栗東の重鎮とも言うべき某調教師で「天皇賞から別馬になっとるがな。以前はトモが弱かったから、坂路でもフラフラしてあまり時計が出てなかったのに、国内最終追い切りでは楽な手応えでラスト1ハロン12・0秒やろ。先週(須貝)尚介(調教師)は阪神大賞典のゴールドシップ以上に“ジャスタウェイがめちゃくちゃええ。完璧や”って記者に吹きまくっとった。先に名前が出るくらいやから、かなり自信あるんやろうな」。

 昨秋の天皇賞制覇時は5番人気にすぎなかったジャスタウェイだが、今年始動の中山記念を快勝。そしてこのドバイデューティフリーも制覇となれば…。名実ともに古馬王道路線のトップに躍り出る。

 ちなみに同じくデューティフリーに出走するトウケイヘイローは3票獲得。関東の中堅騎手は「海外の競馬は水をまいたりできて、とにかく自国に有利なコンディションを作るから、その意味では道悪もこなせるのが心強い。それに逃げさえすれば、海外特有なタイトな競馬に影響される心配もないからね。他の有力どころはジャスタウェイをマークしながらの競馬になるだろうし、楽に逃げられれば」。

 また2票獲得のロゴタイプには、関東の若手助手が「中山記念のパドックを見てもかなりの余裕残しだったけど、それでも3着。前回を叩いての上昇度はこの馬が一番でしょう」。

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8R=ドバイシーマクラシック(芝2410メートル)
 昨年のドバイシーマクラシック2着からのリベンジを期すジェンティルドンナの21票獲得は当然というべきか。栗東のベテラン調教師は「この馬が他場より東京で圧倒的に強いのは軽い上がり勝負に強いから。逆に言えばタフな展開になると力を発揮できない。その点、シーマCは毎年のようにスローの上がり勝負になるからこの馬向き。日本馬では一番チャンスがあると思っとるわ」。

 また美浦の若手調教師は「去年は(前年のジャパンC制覇から)ぶっつけで行って2着だったけど、陣営も久々は大きなマイナスとみたのか、今年は京都記念(6着)を使ってまで間に1戦挟んだからね。今年は本気度が違うように見える」。
 ほかにも「厳しい言い方をすれば、昨年は岩田君の騎乗法にも疑問が残ったからな。今年は名手ムーアを確保できたのが大きい」(美浦のベテラン調教師)。

 ローテ、乗り役など、昨年以上に万全の態勢を敷いたジェンティルドンナにかかる期待はやはり大きい。

 同じくシーマCに出走するデニムアンドルビーへの評価も高く、2桁の10票を集めた。角居厩舎のスタッフと懇意にしている栗東のある助手は「さすが“世界のスミイ”やで。スタッフが仕上げ方をよう知っとる。デニムアンドルビーはレースまでにいつも5本の追い切りを消化するみたいやが、この中間は国内だけで7本もやっとる。これにはヴィクトワールピサ(11年ワールドC優勝)の教訓があるみたいや。ギンギンに仕上げても、暖かい所に行くと、さらにもう一段階調子が上がるのを知っとるんやな。ジェンティルドンナに注目は集まるやろうけど、こっちもメイチ勝負で取りにきとるで」。

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9R=ドバイワールドカップ(AW2000メートル)
 意外にも“本丸”のドバイワールドCに出走するベルシャザール、ホッコータルマエは1票ずつしか票を集められなかった。その最大の要因を美浦の若手騎手は「(ワールドCが)オールウエザーになってから日本のダート馬では敷居が高くなってしまった。勝つのは芝のトップホースじゃないと無理ですよ」と冷静に指摘する。

 肯定派の声にも耳を傾けたい。栗東のある助手は「ノーザンファームしがらきのオールウエザーコースはドバイのタペタとほぼ同じ材質を使って造ったんやが、オルフェーヴルはそこでの走りが抜群やったらしいわ。オルフェのダービーで3着やったのがベルシャザール。タペタは芝の道悪をこなすくらいのパワーが必要らしいから、意外に合うんやないか」。

 一方、ホッコータルマエを推す栗東の某調教師は「タルマエの武器は前で競馬ができて、なおかつ持久力があるところや。スピード決着に一抹の不安がないわけやないけど、前々で流れに乗れることはホンマ大きな強みやと思うで」。