2009年11月4日水曜日

JBC

3連覇がかかるヴァーミリアン「JBCクラシック」(名古屋)
2009年11月 2日(月)

11月3日(祝・火)のメイン第10レースは「第9回JBCクラシックJpnI」(1900メートル)です。
ヴァーミリアン(牡7、JRA石坂正厩舎)は07年の大井、08年の園田とJBCクラシックを連覇しています。今年、名古屋で3連覇を果たせば、02年から04年まで3連勝したアドマイヤドンの記録に並びます。今年は6月の帝王賞JpnIで優勝を飾っています。今回はそれ以来ですが、3連覇に向けて順調に乗り込まれ直前の気配は申しぶんありません。名古屋は06年に名古屋グランプリGIIを制したコースで不安はありません。ここで勝ってダート王の地位を不動のものにできるでしょうか。
マコトスパルビエロ(牡5、JRA鮫島一歩厩舎)が今年好調です。7月の盛岡・マーキュリーカップJpnIIIで重賞初優勝を飾ると、9月の船橋・日本テレビ盃JpnIIでも優勝して重賞2連勝を果たしました。名古屋は初登場ですが、地方ダートで素質が開花しただけにドンとこいの気迫です。
ブルーコンコルド(牡9、JRA服部利之厩舎)は05年の名古屋JBCではスプリントを勝ちました。まだクラシック勝ちはありませんが、重賞11勝の実績があります。今年の走りに年齢的な衰えがあるとは思えません。崩れのない成績だけに今回も上位争い必至と言っていいでしょう。
メイショウトウコン(牡7、JRA武田博厩舎)も名古屋では昨年、名古屋大賞典JpnIIIを制しています。今年の同レースでは3着でしたが、存在感たっぷりのレースぶりでした。このメンバーに入っても力は互角と見てよさそうです。
地方勢では笠松のマルヨフェニックス(牡5、柴田高志厩舎)が一発を秘めています。一時期、調子を崩していたこともありましたが、近況3連勝と完全に復調を示しています。
ワンダースピード(牡7、JRA羽月友彦厩舎)も手堅い走りを披露しそうです。昨年の名古屋グランプリでは力の違いを見せつけ快勝しました。今年の名古屋大賞典でも2着に健闘と名古屋コースはお手のもの。自在に動ける強みもあり不気味です。
このほか、兵庫のタガノシャンハイ(牡7、碇清次郎厩舎)が間隙を突いてきそうです。
(文/中日スポーツ・外山謙一)

【JBCクラシック】ヴァーミリアン8冠!
2009.11.4 05:05
 第9回JBCクラシック(3日、名古屋10R、GI、3歳上オープン、定量、ダ1900メートル、1着本賞金1億円=出走12頭)「第9回JBC」(交流GI)が3日、名古屋競馬場で行われた。クラシックは、武豊騎乗の1番人気ヴァーミリアンが頭差で3連覇を達成し、史上最多のGI8勝目を挙げた。2分0秒2(良)。今後はJCダートでGI9勝目を狙う。スプリントは、川田将雅騎乗の1番人気スーニが3歳馬として初優勝を飾った。1分25秒9(良)。2レースともJRA勢が上位を独占した。
 一瞬のスキを見逃さなかった。4コーナーを回って、192メートルの短い直線に入ると、武豊とヴァーミリアンは迷わず最内へ。逃げ粘るマコトスパルビエロとの激しい叩き合いをアタマ差制したところがゴール。絶体絶命のピンチを脱し、史上最多のGI8勝の金字塔を樹立した。
 「きっちり仕事をしてくれる。JBC3連覇もそうですが、どこでも走れるんですよね。すごい馬です」。武豊騎手も絶賛した会心の勝利だが、レースは厳しい展開になった。好スタートを切ったが、マコトにハナを奪われ、外にはワンダースピードがピタリと張り付く。手応えはあっても身動きができない状況。それでも動じない。心の中に確信があったからだ。
 「見ている人はハラハラしたかもしれませんけど、“スペースさえあれば入っていける”と思っていましたから」
 レース後、石坂正調教師には「ヒヤヒヤさせてすみません」と頭を下げたが、表情はニンマリ。菊花賞(リーチザクラウン)、天皇賞(ウオッカ)と2週連続で1番人気に応えられなかった武豊騎手も、この日は笑顔が弾けた。
 時代も路線も違うとはいえ、無敗3冠馬シンボリルドルフ、武豊が主戦だったディープインパクトさえ達成できなかったGI8勝の偉業。中央と地方合わせて9つの競馬場で勝ち星を挙げ、どんな流れにも対応できる自由自在の脚質に加えて、ヴァーミリアンは今なお成長し続けている。
 「パドックでも涼しい目をして歩いている。我慢も利くし、落ち着きもあり、7歳にしてよくぞこういう精神状態の馬になれました。次走はJCダート(12月6日、阪神、GI、ダ1800メートル)。全く衰えもありませんし、上位争いができると思っていますよ」
 石坂師は早くもGI9勝目を意識する。「今が一番充実しているかもしれません」とユタカに言わしめる7歳秋のヴァーミリアン。10億円ホースの仲間入りを果たし、完成の域に達したダート王は、これからも孤高の記録更新に挑む。(黒田栄一郎)

競馬G1、ディープを上回る8勝目 ヴァーミリアン

国内新記録となるG1で8勝目を挙げたヴァーミリアンと武豊騎手
 ダート競馬の祭典、JBCは3日、地方・名古屋競馬場であり、クラシック(1900メートル)では中央競馬所属で武豊騎手騎乗のヴァーミリアン(牡=おす=)が優勝。国内新記録のG1通算8勝目を挙げた。
 終始3番手をキープ。ゴール間際でライバルをかわし、ディープインパクトやシンボリルドルフといった名馬が持つG1の7勝を上回った。
 地方との交流戦での勝利も含まれ、従来の記録と単純に比べられないが、7歳という高齢で記録を作った。武豊は「今日が一番若々しいかも。本当にすごい馬です」。

 マコトスパルビエロ(中央)を頭差で下しJBCクラシックを制したヴァーミリアン(左)
 「JBCクラシック・交流G1」(3日、名古屋)

 金字塔を打ち立てた。1番人気のヴァーミリアンが同レース3連覇で、史上最多となる8度目のG1制覇を果たした。道中は好位のインを抜群の手応えで運び、ゴール手前で粘るマコトスパルビエロを内から頭差かわした。手綱を取った武豊は「ますます元気。今が一番強いぐらい」と手放しで絶賛。見守った石坂師も「すごいね。3年間もG1レースで勝ち続けるなんて」と7歳馬の快挙に満面の笑みだった。
(2009年11月3日)

【JBCクラシック】ヴァーミリアンが3連覇

JBCクラシックを制し、笑顔の武豊騎手とヴァーミリアン
Photo By 共同
 公営競馬の指定交流レース、第9回JBCクラシック(ダート1900メートル、G1)は3日、名古屋市の名古屋競馬場で中央馬5頭を含む12頭で争われ、中央所属で1番人気のヴァーミリアン(武豊騎乗)が2分0秒2で優勝し、3連覇を遂げた。1着賞金1億円を獲得するとともに、中央の2勝と合わせて史上最多のG18勝目を挙げた。
 ヴァーミリアンは先行策から、最後の直線で逃げたマコトスパルビエロを頭差かわした。3着はワンダースピードで中央勢が上位を独占した。
 第9回JBCスプリント(1400メートルダート、G1)は1番人気で中央所属のスーニ(川田将雅騎乗)が勝ち、1着賞金8000万円を獲得した。2着はアドマイヤスバル、3着はリミットレスビッドの中央勢だった。

スーニが「JBCスプリント(JpnI)」、ヴァーミリアンが「JBCクラシック(JpnI)」を快勝! レース映像を配信中! [11月03日17時55分] 【スポーツ】

指定交流「第9回JBCスプリント(JpnI)」(1400m)は、11月3日、名古屋競馬場で行われ、JRAのスーニが快勝、3歳馬初のJBCスプリント勝ちを達成した。
レースは、本命のフェラーリピサが出走を取り消し、スーニが1番人気に押し出される中、高知の快速馬ポートジェネラルの逃げで始まった。
JRA勢がその後で、ビービーガルダン、スーニ、リミットレスビット、アドマイヤスバルが差なく追走する。
レースは、後方につけた大井のフジノウェーブと船橋のノースダンデーが中団まで押し上げた以外は大きな動きもなく3コーナーを通過する。
4コーナー手前に入ると、アドマイヤスバルとスーニがビービーガルダンをかわして、2、3番手に上がる。
直線に向くと、スーニとアドマイヤスバルが抜け出すが、スーニがアドマイヤスバルの追撃を封じ、1分25秒9で快勝、2歳チャンピオンが3歳になって初重賞勝利を挙げるとともに、JpnI2勝目で3歳にしてスプリント王の座を手中にした。
2着はアドマイヤスバルが3/4馬身差まで詰め、3着はリミットレスビットが4馬身差で入った。4、5着がノースダンデーとフジノウェーブで、初ダートのビービーガルダンは6着。
スーニの川田将雅騎手は、「最高ですね。前走、初めて1200mの短いところを乗ったので、気をつけて走ったのですが、今回は勝ちに行こうと。強いスーニを見せることができて、とてもうれしく思います。まだ3歳馬ですし、また応援してあげてください」と素直に喜びを語った。

指定交流「第9回JBCクラシック(JpnI)」(1900m)は、11月3日、名古屋競馬場で行われ、JRAのヴァーミリアンが快勝、JBCクラシック3連覇を達成した。
レースは、ヴァーミリアンとJRAのワンダースピードが好スタートを切るものの、JRAのマコトスパルビエロが外からこれらをかわして先頭に立つ。
ヴァーミリアンとワンダースピードは2、3番手に控え、1周目の直線は、4番手にJRAのブルーコンコルド、5番手に笠松のマルヨフェニックス、6番手にJRAのメイショウトウコンという順で通過。
レースは大きな動きもないまま、勝負どころの3コーナーからペースを上げ、マコトスパルビエロが4コーナーを先頭で通過し、ヴァーミリアンとワンダースピードがこれに迫る。
直線に向くと、マコトスパルビエロの内からヴァーミリアン、外からワンダースピードが並びかけ、ゴール前はマコトスパルビエロとヴァーミリアンの叩き合いになるものの、ヴァーミリアンがアタマ差で競り勝ち、2分0秒2で快勝した。
ヴァーミリアンは、JBCクラシックでアドマイヤドン以来の3連覇を達成するとともに、GI、JpnI通算8勝目を挙げた。
2着はマコトスパルビエロで、3着はワンダースピードがクビ差で入った。4着は8馬身差と大きく離されたもののメイショウトウコンが入り、5着は地元のマルヨフェニックスが3馬身差で意地を見せた。
ヴァーミリアンの武豊騎手は、「本当にすごい馬ですね。スタートもよかったし、ある程度前で運ぼうと思ったので、いい形になりました。直線も、馬のほうが脚があったのでいい反応をしてくれました。ヴァーミリアン、このレース3連覇で、今が一番強いと思うので、これからも応援してください」と今後のGI、JpnI戦線に向けても引き続いての活躍を誓った。

レースの模様は、地方競馬インターネット中継で見ることができる。

ヴァーミリアン、史上最多のGI・8勝を達成!/名古屋・JBCクラシック
 3日、名古屋競馬場で行われた第9回JBCクラシック(3歳上、交流GI・ダート1900m、1着賞金1億円)は、武豊騎手騎乗の圧倒的1番人気(単勝1.3倍)ヴァーミリアン(牡7、栗東・石坂正厩舎)が道中は先団を追走し、直線最内を突いて伸びると、逃げ粘りを図った2番人気マコトスパルビエロをゴール直前でアタマ差交わして優勝した。勝ちタイムは2分00秒2(良)。さらにクビ差の3着には3番人気ワンダースピードが入った。

 勝ったヴァーミリアンは、父エルコンドルパサー、母がJRA1勝のスカーレットレディ(その父サンデーサイレンス)という血統。同厩の半兄に05年東海S(GII)など重賞4勝のサカラート(牡9、父アフリート)がいる。
 07年1月の川崎記念(交流GI)でGI初制覇を飾ると、同年のJBCクラシック(大井)、ジャパンCダート(GI)、東京大賞典(交流GI)も勝ち、JRA賞最優秀ダートホースに輝いた。さらに08年フェブラリーS(GI)、08年JBCクラシック(園田)、今年2戦目となった前走の帝王賞(交流GI)とGIの勝ち鞍を重ね、今回の勝利でディープインパクト、シンボリルドルフなどを上回る史上最多のGI・8勝目をマークした。通算成績29戦14勝(うち地方10戦9勝、海外2戦0勝、重賞12勝)。

●●JBCクラシックはヴァーミリアンが貫禄の3連覇●●
 名古屋競馬場で行われた第9回JBCクラシック(JpnI・1900m)は、1番人気のヴァーミリアンが好位から差し切り3連覇を達成した。勝ち時計は2分0秒2。鞍上は武豊騎手。2着は2番人気のマコトスパルビエロ、3着は3番人気のワンダースピード、4着は4番人気のメイショウトウコンで、人気通りの決着となった。地方馬最先着は5着のマルヨフェニックス(笠松)。

 レースはスタートが良かったヴァーミリアンが一旦ハナに立ったが、マコトスパルビエロが二の脚を利かせて先頭を奪い、ワンダースピードが2番手、ヴァーミアリアンは3番手に控え、ブルーコンコルド、マルヨフェニックス、メイショウトウコン等が追いかける展開となった。馬群が密集していたため、ヴァーミリアンは外に出せないまま4コーナーから直線に入り、直線でも外に出さずに、最後は粘るマコトスパルビエロを内から差し切り、頭差で8つ目のJpnIタイトルを手にした。2着マコトスパルビエロ、クビ差3着がワンダースピード。この3頭から4着までは8馬身もの差がついた。

 勝ったヴァーミリアンは父エルコンドルパサー、母スカーレットレディ、母の父スカーレットローズと言う血統の牡7歳。今日の勝利で、JBCクラシック3連覇と共に、史上初のGI(JpnI)8勝馬となった。通算成績は27戦14勝。JRA栗東の石坂正厩舎の管理馬。

名古屋競馬場で行われた第9回JBCクラシック(JpnI・1900m)のレース後の関係者のコメントは以下の通り。

<レース後の関係者のコメント>
・1着ヴァーミリアン 武豊騎手
「スタートが良かったですし、名古屋競馬場のコースなのでハナを切っても良いと思っていました。今日は外に出られませんでしたが、内が開いた時に、一気に入れましたね。
 3連覇を達成できましたが、今が一番良いくらいです。使えるレースが限られているので今日は狙っていましたよ」

・1着ヴァーミリアン 石坂調教師
「手応えは充分でしたが向正面で外に出せず、『まずい』と思っていました。しかし、内から差し切ってくれたのはヴァーミリアンの力でしょう。よく交わしてくれましたね。3連覇するなんてやはり凄い馬です。この後はジャパンカップダートへ向います」

・2着マコトスパルビエロ 安藤勝己騎手
「スタートはモサッと出ましたが、エンジンが掛かってからはサッと行ってくれました。ずいぶんと力をつけましたね。よく頑張っていますよ。勝ったヴァーミリアンは普通の馬じゃないですからね」

・3着ワンダースピード 小牧太騎手
「交わせるかと思ったのですが、勝った馬はやはり強いですよ。今回のレースがジャパンカップダートに繋がってくれると良いですね」

・4着メイショウトウコン 藤田騎手
「今日はゲートを出てくれました。夏バテが尾を引いていた前回と比べて、だいぶ良くなってきていますよ」

・8着ブルーコンコルド 幸騎手
「勝負所までは良い感じでしたが、そこから遅れてしまいました。順調さを欠いた分でしょうか」

(取材:大関隼)

JBCクラシック優勝コメント
武豊騎手のコメントです。「先輩二人にがっちり閉められまして(笑)、外に出してもらえないのはわかっていたので、内を狙っていました。スペースさえできれば勝てると思っていました。見ているほうがドキドキしたんじゃないですか?」と、僅差ながらも王者の余裕を感じるコメントでした。
石坂正師は、
「落ち着きがあり、競馬に集中して無駄な動きをしない馬です。7歳ですが衰えはなく、むしろ成長し続けているしまだまだG1でやれると思います。このあとはJCダート。来年のことはオーナーと相談しなければなりませんが、どんな形でもヴァーミリアンが幸せであってほしいです。仮に現役続行でも、十分やれると思います」
とのことでした。ヴァーミリアンへの愛情を感じるコメントですね。

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