2007年12月30日日曜日

スポニチ記録

ヴァーミリアン砂界制覇!!/東京大賞典

レースを制した武豊とヴァーミリアン。右端は管理する石坂調教師
 砂のグランプリ「第53回東京大賞典」が29日、不良馬場の大井競馬場で行われ、1番人気のヴァーミリアンが圧勝。川崎記念、JBCクラシック、JCダートに次いで史上初のダートG1年間4勝をマークした。鞍上の武豊騎手(38)はレース史上タイとなる東京大賞典3勝目。1番人気メイショウサムソンで8着に敗れた有馬記念のうっぷんを晴らし、今年最後の騎乗を最高の形で締めくくった。 【レース結果】  文句のつけようがない圧勝だった。好位5番手で折り合ったヴァーミリアン。武豊が派手なアクションを起こさずとも、勝負どころの3角で馬が自然と前に出て行く。直線入り口で先頭に立ってからは独壇場。後続を軽く突き放し、2着フリオーソに4馬身差をつけて史上初のダートG1年間4勝を達成した。 「強かった。この秋は全部完勝だからね」。ウイニングランで4万観衆の声援を浴びた武豊は気持ち良さそうに切り出した。「外枠だったけどスッと流れに乗れた。精神面も体調面も安定していて乗りやすい」。JBCクラシック、JCダート、東京大賞典と秋の“ダート3冠”を同一年に制覇したのも史上初。3戦で2着馬につけた着差は9+1/4馬身とライバルに影すら踏ませていない。「JBCの頃は歩様に硬さがあったけど、今は何の心配もない。使うごとに具合が良くなっている」と鞍上は成長一途の愛馬に目を細める。 「今年に入って初めて自信を持って送り出せたレース。思った通りに走ってくれた」とは石坂師。ヴァーミリアンは体質が弱く、3~4歳時は思うような結果が出せなかった。我慢の調教を重ね、5歳秋にしてようやく素質が開花しただけに、喜びもひとしおだ。 もう国内に敵は見当たらない。目標は世界最高賞金レースのドバイワールドC(3月29日、ナドアルシバ競馬場、1着賞金360万ドル=約4億1000万円)だ。今春も挑戦(4着)し「世界のレベルの高さを思い知らされた」と話す石坂師だが「今の強さなら色気を持って行ける」と強気。武豊も「かなり楽しみ」と手応え十分だ。本番まで日程的な余裕があるため、交流G1川崎記念(1月30日)を挟んで遠征に備える。日本のダート競馬を統一したヴァーミリアンが、来春は世界制圧に向けて勇躍する。  ▼ヴァーミリアン 父エルコンドルパサー 母スカーレットレディ(母の父サンデーサイレンス)牡5歳 栗東・石坂正厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績21戦10勝(南関東5戦5勝) 総収得賞金6億5156万9500円 重賞はラジオたんぱ杯2歳S=04年。彩の国浦和記念=05年。ダイオライト記念、名古屋グランプリ=06年。川崎記念、JBCクラシック、JCダート、東京大賞典=07年。同レース、石坂調教師は初V。
[ 2007年12月30日付 紙面記事 ]

ヴァーミリアンはダート重賞6連勝
 ヴァーミリアンは東京大賞典を制し、ダート交流重賞無敗の6連勝。01年にノボジャックがマークした記録に並んだ。ダートグレード制導入以前には95~97年にかけて、ホクトベガが無傷の9連勝を達成している。


フリオーソ意地見せた/東京大賞典
 地方勢ただ1頭のG1馬フリオーソが2番人気で2着を確保し意地を見せた。勝ったヴァーミリアンとの着差は、10月の大井JBCクラシックと同じ4馬身だったが、3着メイショウトウコンには5馬身の差をつけた。 課題のスタートを難なくこなし、外め3番手の絶好位につける。勝負どころで徐々に押し上げ4コーナー先頭の“勝ちパターン”。しかし、相手が悪かった。JDD制覇以来の騎乗となった今野は「道中も思い通りに運べた。コーナーで後ろを見たら、すぐ後ろにもうヴァーミリアンが来ていた。最後は力の差かな。やっぱりある程度前で競馬をした方が持ち味は生きる」と振り返った。 検量所前で待ち受けた陣営もフリオーソの健闘を称える。「やっぱり地方No・1!(今野は)完ぺきに乗ってくれた」とクリス厩務員。川島正師も「出来も良かったしな。きょうは勝った馬が強かった」。次走はG1川崎記念(1月30日、川崎)の予定だ。


トウコン勝ち馬にお手上げ/東京大賞典
 地方競馬初参戦の4番人気メイショウトウコンが3着。前半はいつものように後方。3角では6番手集団、4角では5番手と積極的に動いたが、勝ち馬には9馬身の大差をつけられた。武幸も「ヴァーミリアンを見て競馬をしようと思った。4コーナーまでに差を詰めておきたかったが、逆に離されてしまった」とお手上げだった。


「ダートの祭典」売り上げ過去最高
 今年の東京大賞典の売り上げは25億20万7900円で、地方競馬における1Rの最高売り上げ記録を更新した。前年比は142・9%。また、1日あたりの売り上げ45億5670万1800円は前年比131%。3万9027人の入場者も同119・2%と大幅にアップした。

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