2007年12月27日木曜日

記録サンスポ

【東京大賞典】国内最強!武ヴァーミリアンがGI3連勝締めだ

国内最強ダート王が文句なしの動き。07年はGI3連勝で締め、来年のドバイ制覇へとつなげる(撮影・林俊志)
 GI3連勝へ向け、ダート王ヴァーミリアンが万全の動きを見せた。栗東坂路で追い切られて、前走時よりも速い4ハロン52秒9をマーク。JBCクラシック、ジャパンCダートに続くV3が濃厚だ。鞍上は今年不滅の“3000勝”を達成して、日本プロスポーツ大賞の殊勲賞を受賞した武豊騎手(38)。来年のドバイワールドC再挑戦のためにも、絶対に勝つ!

 再び、世界へと羽ばたく。国内最強ダート王者のヴァーミリアンが、07年有終Vへ向け、栗東TCで力強いデモンストレーションを披露した。
 午前7時の開門からほどなく坂路に入り、最初の1ハロンは14秒0のゆったりしたスタート。2ハロン目からペースを上げ、馬場の真ん中を躍動感あるフォームで駆け上がる。最後まで一杯に追われ、4ハロン52秒9-38秒9-13秒6。JCダートの直前追い(坂路53秒2)より速い、意欲的なタイムをマークした。
 「久々に速い時計が出ました。いつも通りのヴァーミリアンの調整ができています。心身ともに成長して充実期に入っていますね」と石坂正調教師は目を細めた。
 ターニングポイントとなったのは今年3月のドバイ遠征だ。1月に川崎記念でGI初制覇を果たした後、ダートでは米国のブリーダーズCと並ぶ世界最高峰GI・ドバイワールドCに挑戦。前年の米年度代表馬インヴァソールには大きく離されたが、しぶとく4着に踏ん張った。
 「最後まで一生懸命走ったのは、あの時が初めてではないかな。厳しい経験を積んで、(その後は)思っていた通りステップアップしてくれた」と石坂師。
 ドバイに比べれば、日本のレースはいかにも楽だった。7カ月の休み明けだった大井・JBCクラシックは、南関東のエース・フリオーソを4馬身ちぎって完勝。JCダートも次元の違う爆発力で突き抜け、東京競馬場リニューアル後のレコードタイムを1・3秒も更新する2分6秒7(良)で圧倒した。
 その強さは、「デビューから何度も乗っていますが今回が一番力をつけていました。強くなっています」と武豊騎手が振り返るほど。海外遠征で精神面がタフになり、馬体も逞しさを増し、脚質にも幅が出た。全くスキのないダート王に成長していた。
 来年もドバイワールドC(3月29日、ナドアルシバ、GI、ダ2000メートル)に挑む。「(ドバイでは)今年のヴァーミリアンと違うところを見せたい。そのためにもここで確実に勝たないと。この馬の力が出せれば結果は出る」と石坂師は渾身の仕上げで東京大賞典に送り出す。ユタカも、有馬記念は1番人気メイショウサムソンで8着に敗れてしまったが、不滅の3000勝を達成した記念すべき07年を、このままで終わらせるわけにはいかない。ドバイの夢を果たすためにも、武ヴァーミリアンは勝つ。
(森田実)
■スカーレット一族
 GI3勝ヴァーミリアンの祖母スカーレットローズは、23日の有馬記念で2、3着となったダイワスカーレット(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯)、ダイワメジャーの母であるスカーレットブーケの全姉。ヴァーミリアンの半兄サカラート(父アフリート)もダート重賞3勝を挙げている素晴らしき一族だ。
★本紙の狙い
 ドバイ遠征で飛躍的に成長したヴァーミリアンが不動の中心だ。2走前のJBCクラシックは直線で瞬時に後続を突き放す4馬身差圧勝。前走のJCダートも、東京競馬場リニューアル後のカネヒキリのレコードを1.3秒も更新する驚異的なタイムで快勝した。ほぼ勝負づけの済んだ相手であり、来年再び海外に羽ばたくためにも、国内最強を改めて証明する。昨年の覇者ブルーコンコルド、単騎逃げが見込めるシーキングザダイヤが相手。
■前日発売(28日)
 ★大井、川崎、船橋、浦和競馬場、新潟地区、オフト★後楽園・★汐留・大郷・ひたちなかで実施(最終レース発売締め切りまで、★は20時まで)。
★ユタカが日本プロスポーツ大賞・殊勲賞受賞
 ユタカは26日、交流GIII兵庫ゴールドトロフィー(メイショウバトラー3着)の後、急いで都内ホテルで行われた日本プロスポーツ大賞(殊勲賞を受賞)のパーティーに駆けつけた。他プロスポーツのトップ選手のオーラを注入し、リフレッシュ。「大変、名誉のある賞で嬉しい。1年の最後にご褒美をいただきましたね。(ヴァーミリアンでも)頑張ります」と笑顔を見せていた。

0 件のコメント: