2013年4月2日火曜日

界の

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ジェンティルドンナ、世界の舞台で価値ある2着
合田直弘のドバイミーティング回顧
JRA-VAN
2013年4月1日 14:59

2着健闘! 今後が楽しみなジェンティルドンナ

ドバイシーマクラシック、初のアウェーで2着と健闘したジェンティルドンナ(中央)。右は、1着のセントニコラスアビー
ドバイシーマクラシック、初のアウェーで2着と健闘したジェンティルドンナ(中央)。右は、1着のセントニコラスアビー【写真は共同】
この路線のG1を2つ制している他、一昨年のG1凱旋門賞(芝2400m)2着の実績のある、レーティング第3位(122)の仏国調教馬シャレータ(牝5)が先行。一昨年のG1BCターフ(芝12F)を含めてG1で4勝の実績を挙げている、レーティング第2位(124)の愛国調教馬セントニコラスアビー(牡6)が2番手を追走。そして、牝馬3冠達成に加えてG1ジャパンC(芝2400m)優勝の実力が評価され、堂々レーティング第1位での出走となったジェンティルドンナ(牝4)が3番手を追走する展開となった。

 半マイル(4F)通過50秒71、6F通過1分15秒47という緩やかな流れとなった中、直線入り口でセントニコラスアビーがシャレータをかわして先頭へ。遅れずについて行ったのがジェンティルドンナで、直線は2頭の一騎打ちとなった。しかし、残り100m付近からジェンティルドンナの脚が上がらなくなり、セントニコラスアビーが優勝。スローだった前半とは一変、後半はペースが上がり、勝ち時計は2分27秒70のトラックレコードとなった。
 2馬身1/4差の2着がジェンティルドンナで、逃げたシャレータは6着に敗退。前半は好位で競馬をしたトレイルブレイザー(牡6)は、後半失速して11着に終わっている。

 8番枠からスタートし、終始外目を回らされる厳しい展開となったことが、ジェンティルドンナの敗因と見られる。しかし、初めてのアウェーで世界の強豪を相手にしての2着は立派な成績で、ここで遠征経験を積んだ同馬の秋の凱旋門賞参戦が、ますます楽しみになったと言えそうである。

タペタを攻略したアニマルキングダム

<ドバイワールドカップ(AW2000m)>

 昨年のこのレースの勝ち馬で、出走予定馬の中でレーティング最上位(126)だったモンテロッソ(牡6)が、レース当日の朝に左前ハ行のため出走を取り消し、12頭立てとなった。

 代わってレーティング最上位(125)となった、北米からの遠征馬ロイヤルデルタ(牝5)が好スタートからハナを切り、同じく北米からの遠征馬で、レーティング第3位(124)のアニマルキングダム(牡5)が直後を追走する展開となった。
 4コーナー手前で早くもロイヤルデルタをかわしたアニマルキングダムが先頭で直線へ。そのまま後続の追撃を封じこめ、2馬身差の完勝を演じた。昨年暮れにG1香港ヴァーズ(芝2400m)を制している英国調教馬レッドカドー(セン7)が、後方から追い込み2着に食い込んでいる。
 一方、逃げたロイヤルデルタは終盤急激に失速して10着に大敗。半マイル通過が50秒02と決して無謀なペースで逃げていたわけではなく、調子も最高と伝えられていただけに、「タペタ」というブランドのオールウェザートラックへの適性がなかったことが、敗因と見て良さそうだ。

 勝ったアニマルキングダムは、北米産の北米調教馬で、3歳時にG1ケンタッキーダービー(ダート10F)を制している強豪だ。昨年もドバイ遠征を計画していたが、故障で断念。復帰戦となった昨年秋のG1BCマイル(芝8F)で2着となって能力の高さをあらためて実証した後、今季初戦となったG1ガルフストリームターフH(芝9F)で2着となって、ここへ臨んでいた。

 ロイヤルデルタだけでなく、北米のオールウェザーでG13勝の実績を誇るデュラハン(牡4)も11着に大敗した中、タペタを難なくハンドリングしたアニマルキングダムの多才さが光った一戦だった。


レイナルドザウィザードが7歳でG1初制覇

<ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)>

 日本から遠征したタイセイレジェンド(牡6)が、G1BCスプリント(ダート6F)勝ち馬・トリニバーグ(牡4)、G1マリブS(ダート7F)2着馬プライベートゾーン(セン4)という、北米調教馬2頭とともに果敢に先行。短距離路線の水準が高い豪州で、昨年11月にG1パティナックファームクラシック(芝1200m)を制し、レーティング第1位(121)での出走となったメンタル(セン4)は後方からの競馬となった。
 直線残り300m付近で先頭に立ったのは、前哨戦のG3マハブアルシマール(AW1200m)の勝ち馬で、前半は先行馬群を前に見る位置で競馬をしていたレイナルドザウィザード(セン7)。G3マハブアルシマール3着馬のバルモントマスト(セン5)がゴール前で追い込むも、これをクビ差で退けて優勝を飾った。

 レイナルドザウィザードは北米産馬。祖国で走っていた2歳時にG2・3着の成績を残しているものの、その後は長く低迷。前走が重賞初制覇で、ここがG1初制覇と、7歳にして我が世の春を迎えることになった。

 一方、人気のメンタルは後方のまま良いところなく10着に大敗。前走メイダンのG3アルシンダガスプリント(AW1200m)を快勝し、タペタ適性も高いとの評価を得てここへ出走していた同馬だが、このレースの勝ち時計は前走より1秒87も遅く、時計のかかる仕様になっていたタペタをうまくハンドリングできなかったことが、敗因と見てよさそうだ。
 また、プライベートゾーン9着、トリニバーグ11着、タイセイレジェンド12着と、先行した馬たちも軒並み大敗。展開が不向きだった上に、タペタ適性も低かったことが、タイセイレジェンドの敗因と言えそうである。

レーディング最上位のシュルク、タペタに適応できず

<UAEダービー(AW1900m)>

 イタリアのG1グランクリテリウム(芝1600m)勝ち馬で、レーティング第3位(110)のロウエンフォースメント(牡3)が先行。G3UAEオークス(AW1900m)勝ち馬で、牝馬ながらレーティング第1位(116)での出走となった シュルク(牝3)は3番手グループ外目を追走。前哨戦のリステッドレースであるアルバスタキヤ(AW1900m)を制している、レーティング第2位(112)のシークレットナンバー(牡3)は、スタートで後手を踏んで後方からの競馬となった。
 直線残り350m付近で先頭に立ったのが、道中2番手で競馬をしていたラインズオブバトル(牡3)で、そのまま後続の追撃を退けて優勝を飾った。

 ラインズオブバトルは愛国調教馬。昨年10月にダンドーク競馬場で行われたリステッドレースのスターアピールS(AW7F)を制し、欧州調教馬ながらオールウェザーでの実績をあげての参戦だった。

 アルバスタキヤの4着馬エルヴァル(セン3)が、後方から追い込んで1馬身1/2差の2着。2着馬から半馬身差の3着がシークレットナンバーだった。
 一方、レーティング最上位のシュルクは、終盤伸びを欠き7着に敗退。ゴールデンシャヒーンの項目でも記したが、この日のタペタは時計がかかる仕様になっており、このレースの勝ち時計もシュルクが制したG3UAEオークスより3秒33も遅いものだった。適性としては力を要求される状態だったようで、牝馬のシュルクには厳しい条件だったと言えよう。

(文・合田直弘/協力・JRA−VAN)

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