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年度代表馬ジェンティル支持率81%超
JRAは「2014年度JRA賞受賞馬選考委員会」を6日に行い、年度代表馬には昨年ドバイシーマCと有馬記念を制したG1・7勝馬ジェンティルドンナ(牝6、石坂)が選出された。総票数285票のうち231票を獲得し、12年以来2度目の年度代表馬の座を獲得。2度の受賞は史上8頭目、牝馬としては08、09年ウオッカ以来2頭目となった。同馬は最優秀4歳以上牝馬も満票で受賞した。
感動のラストランが大きな後押しになった。昨年はJRAのG1を2勝した馬がおらず、大混戦と見られていた年度代表馬争いだったが、終わってみれば有馬記念で有終の美を飾ったジェンティルドンナが、総票数285票のうち231票を獲得。支持率81・1%の圧勝で2年ぶり2度目の年度代表馬に輝いた。「票数を聞いて、最後にインパクトのあるレースをしてラストランを決めてくれたことが大きな要因になったのかなと思っています」。3年間管理した石坂正調教師(64)は誇らしげに語った。2度受賞した馬は過去にシンザンやシンボリルドルフ、ディープインパクトなど7頭いるが、年をまたいでの受賞は67、70年のスピードシンボリ以来2頭目、牝馬では初の快挙となった。
2年前とはまた違った重みがある。12年は牝馬クラシック3冠、ジャパンCも勝利して年間G1・4勝。3歳牝馬として初めて年度代表馬に選出された。しかし昨年は紆余(うよ)曲折。初戦の京都記念で見せ場なく6着完敗。続くドバイシーマCでは世界の強豪たちを破り、日本の牝馬として初めて優勝した。しかし帰国初戦の宝塚記念では9着に敗れた。
「世間から『終わった』と思われていると感じていました。でも私自身はそうじゃないと思っていたし、その通りに結果を出してくれて、ちゃんと能力があったのだと改めて感じました」と師は振り返る。天皇賞2着、ジャパンC4着と秋2走は勝てないながらも力を示し、有馬記念での有終Vにつなげた。「3歳の時に年度代表馬をもらって、その時は『まだまだ年度代表馬をもらえる可能性がある』と思いましたが、本当に2度ももらえるのはありがたいことです。G1・7勝というすごい実績を挙げてくれました。感謝という言葉では表現できないでしょうね」。有馬記念後の引退式は陣営にとっても涙、涙となった。
5日に北海道安平町のノーザンファームに無事到着。今後は繁殖牝馬として新たな道を歩む。「もう競走馬の時のような精神状態にならなくていいし、今度は母親としてすごいプレッシャーがあるかもしれませんが、末永く幸せに暮らしてほしいと願っています。近いうちに報告しに行きたいですね」。7冠女王のドラマは第2部へとさしかかる。【平本果那】
◆2度の年度代表馬 ジェンティルドンナで8頭目。牝馬では08、09年のウオッカだけだった。また、7頭中6頭は2年連続の受賞。年をまたいでの受賞は67、70年のスピードシンボリ以来史上2頭目の快挙で、牝馬初。牡馬と比べ、牝馬はピークの期間が短いといわれるだけに、その偉大さが分かる。
【選考過程】JRA賞各部門の受賞馬は記者投票により決定される。14年度は285人の有資格者による投票の結果、全部門の得票数1位馬が投票者数の1/3(95票)以上を得て異議なく決定した。ジェンティルドンナのほか、最優秀2歳牡馬ダノンプラチナ、同牝馬ショウナンアデラが満票だった。また、各部門受賞馬の中から選出される年度代表馬は、231票を得たジェンティルドンナに決定した。
JRA賞受賞馬選考委員会では、最優秀4歳以上牡馬に選出されたジャスタウェイを特別賞に推す声も挙がったが、委員総数の3/4以上の同意を得られなかったため見送られた。
[2015年1月7日8時19分 紙面から]
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