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- 有吉正徳 世界の名馬
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2006年初めてJRAのダート重賞・平安Sに臨んだが頭差の2着だった(写真 日本中央競馬会提供)
1月12日に中山競馬場で行われたフェアリーSで、ヴァーミリアンの娘ノットフォーマルが優勝した。現在の3歳世代が初年度産駒(さんく)である種牡馬(しゅぼば)ヴァーミリアンにとって記念すべき、中央競馬の重賞初勝利となった。
ヴァーミリアンは「砂の王者」だった。競馬場には芝コースとダートコースがあり、砂の上を走るダートコースでヴァーミリアンは快進撃を続けた。その結果、中央競馬のダート戦で11戦3勝、獲得賞金3億3456万2千円、地方競馬で13戦10勝、賞金7億4600万円、海外で2戦0勝、賞金3574万8500円を手にした。賞金の合計11億1631万5百円は2位のエスポワールシチー(10億1189万7千円)に約1億円差をつけ、ダート競走での獲得賞金歴代1位になっている。
そんな砂の王者の娘が優勝したフェアリーSは距離1600メートルの芝コースで行われたレースだった。父とは違う舞台で娘が活躍するのだから血統は不思議だ。
しかしヴァーミリアン自身、芝で実績がなかったわけではない。
白星で飾った2004年10月のデビュー戦から8戦連続で芝のレースを選んだ。2004年12月には芝2000メートルのラジオたんぱ杯2歳Sという重賞レースで優勝している。結局、芝では2勝しか挙げることができなかった。
3歳の10月にダート路線へ転向すると、水を得た魚のように輝き出した。
8歳の12月まで息の長い現役生活を続け、2歳から8歳まで毎年少なくとも1度は重賞勝ちを収め、7年連続重賞勝利という快記録も残した。
父は凱旋門賞2着のエルコンドルパサー、母系は天皇賞馬ダイワメジャー、牝馬(ひんば)ながら有馬記念を制したダイワスカーレットにつながる。
明けて13歳。現役時代の同期ディープインパクトは一足先に現役を引退し、種牡馬として確固たる地位を築いた。遅れて種牡馬生活に入ったヴァーミリアンは種牡馬の先輩ディープインパクトを追いかける。
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