2009年2月18日水曜日

各紙

【フェブラリーS】ヴァーミリアン虎視たんたん  ヴァーミリアンは逆襲へ虎視たんたん 「フェブラリーS・G1」(22日、東京)
 前日の暖かさから一転、真冬に逆戻りした月曜の栗東トレセン。ヴァーミリアンを担当する久保助手は馬房の前で「何ひとつ心配なく、ここまでこられたよ」。G1・6勝馬へ送る柔和な視線が、その言葉にうそがないことを証明している。
 昨秋はJBCクラシックこそ制したものの、JCダート3着、東京大賞典2着とカネヒキリに連敗。「2戦ともチグハグなレースになってしまったが、それは勝負だから仕方がない」。悔しさを胸にしまい込み、静かな口調で語った。それでも着差は前々走が0秒1、前走は首。ちょっとしたことで、結果が変わっていた可能性は十分にある。
 気になるのはやはり相手関係。「カネヒキリと一騎打ちになるだろう。勝負は分からないけど、いい競馬をしてほしいね」。昨年完勝した府中の舞台で、今度こそ強いヴァーミリアンの姿が見られそうだ。

【フェブラリーS】スピード型ヴァーミリ…血統診断 2009.2.18 05:03
 06年の覇者カネヒキリは母の全兄が種牡馬シルヴァーデピュティで、同産駒には高齢までタフに活躍しているディバインシルバーなどがいる。カネヒキリが屈腱炎から復活したのは、こうした血の背景も無視できない。
 昨年の優勝馬ヴァーミリアンは近親にダイワメジャー、スカーレットの兄妹がいる。ヴァーミリアン自身芝のラジオたんぱ杯2歳Sを勝っているように、スピードもある。2戦連続カネヒキリに敗れているが、速い時計が出る東京ダートの1600メートルなら逆転は十分可能だ。
 07年の勝ち馬サンライズバッカスは父系、母系とも比較的完成が早い。7歳になっての上積みとなると、期待しにくい。
 カジノドライヴの半兄ジャジル、半妹ラッグストゥリッチーズはともに米3冠最終戦のベルモントS優勝馬。両馬は完成が速いタイプが目立つ米国にしては晩成型であり、カジノの伸びしろはかなりあるといえ、勝って不思議ない。
 面白いのはエスポワールシチーだ。SS系で芝でも好走したゴールドアリュールの産駒で、速い東京ダートはいい。同厩のバンブーエールの父はアフリート。同産駒はプリモディーネ(桜花賞)、スターリングローズ(JBCスプリント)、など全体的に短い距離での活躍馬が目立つ。自身2000メートルのJDD2着の実績はあるが、本質的には距離延長は不利。
 サクセスブロッケンは成長力に富むシンボリクリスエス産駒。近況は案外だが、まだ目を離せない。
 前哨戦の根岸Sを勝ったフェラーリピサの父タッチゴールドはスタミナに富み、母の父カポウティは中距離以下に向く。距離的には1400メートルより1600メートルの方が良さそうだ。(血統取材班)

【フェブラリーS】ディープ世代は枯れない2009.2.18 05:04
 カネヒキリ、サンライズバッカス、ヴァーミリアン。過去3年の優勝馬はすべて最強のディープインパクト世代だ。いずれかの馬が勝てば、史上初めて同一GIを同じ世代の馬が4勝することになる。また、栗東の安達厩舎はエスポワールシチーとバンブーエールの2頭を送り込む。GI史上5例目の親子丼(ワンツー)成るか注目だ。
 ダイワスカーレットの回避でより注目されているのが現7歳、ディープインパクト世代の生き残り(4頭)だ。06年カネヒキリ、07年サンライズバッカス、08年ヴァーミリアンと、ディープ世代が3年連続で制しているフェブラリーS。もし、今年7歳世代が勝つようなら、一世代同一GI4勝は史上初となる。
 連覇を狙うのが武豊ヴァーミリアン。JCダート→東京大賞典と2度続けてカネヒキリに敗れているが、「このレースを目標に何ひとつ心配なくきています。このあとは放牧に出す予定なので、究極の仕上げをするつもりです。今回もカネヒキリと一騎打ちになるのではないかな」。担当する久保調教助手は3度目の正直を期して、愛馬の調子を100%に持ってくる構えだ。全休日明けの17日も坂路2本をキャンターで軽快に登り、最終追い切りに備えた。
 「ジョッキー(武豊騎手)も完全に復活したし、レースは武さんに任せるだけです」。久保助手が全幅の信頼を置く武豊は現在、3週連続で重賞を勝っており、最高のリズムで今年最初のJRA・GIを迎える。
 一方、GI史上初の3年ぶりの制覇を狙うカネヒキリも順調そのもの。火曜日朝にトレセンに姿を現したC・ルメール騎手は「マイルはベストの距離だと思う。いいスピードを持っているし、体つきを見てもマイラーじゃないかな」と自信は相当なもの。ルメールマジックで復活したカネヒキリ。JRA歴代トップとなるGI8勝目成るかも注目される。
 サンライズバッカスは、2年前のフェブラリーS以来勝ち星がない。今回はスーパールーキー・三浦皇成騎手とのコンビで久々の勝利を狙う。「決して老け込んだような感じはないし、調子は悪くない。変な先入観がない三浦騎手がどんなふうにこの馬の持ち味を引き出してくれるかだね」と、東田調教助手。テン乗りとなる皇成は史上最年少GI制覇の記録もかかっている。
 最強ディープインパクト世代3頭による、フェブラリーS2勝目争い。真冬の府中で熱い火花を散らす戦いがそこにある。

ヴァーミリアンここ1本で全力投球/フェブラリーS
 JCダート、そして東京大賞典とともに1番人気に支持されながらカネヒキリの前に辛酸をなめ、3度目の正直で逆転を狙うヴァーミリアン。石坂師は「今回は鞍上も体調万全。力を引き出せれば当然、チャンスは十分」。3週連続重賞制覇と乗りに乗っている武豊の手綱さばきに大きな期待をかけている。
 久保助手も状態の良さに自信満々だ。「追い上げる時の脚が左回りの方がスムーズ。広いコースへと替わるのもいい」と東京コースを歓迎した。昨年はドバイ遠征を視野に入れつつの調整で完勝を飾ったが「今年はフェブラリーSに的を絞ってきた。後を考えずに全力投球だし、昨年より調子もいいようだ」と相当な意気込みで連覇を目指す。ダイワスカーレットとの激突こそ幻となったが、ダート王の座をかけたカネヒキリとの真っ向対決に府中が燃える。

ヴァーミリアンV2狙う/フェブラリーS<フェブラリーS>
 昨年の覇者ヴァーミリアンは、虎視眈々(たんたん)と王座奪回のチャンスをうかがう。ここ2戦敗れているとはいえ着差はわずか。久保助手は「カネヒキリは強いが、離されたわけじゃないし、展開ひとつで逆転できると思う」と逆転に燃えている。
 [2009年2月17日7時19分 紙面から]

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