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ヴァーミリアン、豊で開花 第8回ジャパンカップダート
2007年11月25日 紙面から
2分6秒7のレコード勝ちしたヴァーミリアン。左は2着のフィールドルージュ=東京競馬場で
「第8回ジャパンカップダート」(G1、ダート2100メートル)は24日、東京競馬場で行われた。1番人気のヴァーミリアンが中団追走から直線で豪快に伸び、2分6秒7のレコードで快勝した。武豊は中央競馬初の通算重賞250勝目、G160勝目だった。同騎手はこのレース4勝目、石坂調教師は昨年のアロンダイトに続いて2勝目。
記録ずくめの戴冠だ。武豊が区切りのJRA重賞250勝目、同G160勝目、統一G120勝目。ヴァーミリアンはレコードタイムの圧勝を演じ、パートナーの壮挙にバラを一輪添えた。浦和記念のシーキングザダイヤ、京阪杯のサンアディユに続く騎乗機会3日連続の重賞Vには恐れ入る。
中央G1ではもうひとつだったヴァーミリアンの才能が、ついに開花した。道中は中団でじっくり待機。3コーナーすぎから追い上げにかかったアクションと反応は、かつてない素早さだ。4コーナー手前で先行馬群を射程圏に入れ、抜群の手応えで直線に向く。
先にフィールドルージュが抜け出したが、武豊は全然あわてない。追い出すと一気のラストスパート。ダートでは驚異の上がり36秒2の末脚で先頭を奪い、勢いをキープしたままゴールに飛び込んだ。
「強いと実感しました。前走はドバイ以来。陣営からは若干、体調に不安があると聞いていた。デビューから何度も乗ったが、きょうが一番良かった。心配したスタートもほぼ五分に出れたし1コーナーもうまくさばけ、向正面をリラックスして走った。すべてがうまくいきましたね」
武豊が想像した以上の走りだ。これまで万全といえる状態でレースに臨んだことはほとんどない。若いころは体調の変化が激しく、コンスタントに実力を発揮できなかった。最近、活躍の舞台は地方に限られていたが、もう“外弁慶”は卒業だ。
石坂調教師は「前走の競馬が馬にも騎手にも自信になったと思う。きょうは自信満々で乗ってくれた。レコード勝ちで力、スピードを証明できた。海外を経験したことが大きい。まだまだ道は半ば。今年は及ばなかったが、日本の頂点に立ったからには再挑戦したい」と、再びドバイワールドCに視線を向ける。
今年のドバイWCは4着だが、優勝したインヴァソールから大差。力の差を痛感させられたが、半年で急成長を遂げた。文句なしに再チャレンジの資格を勝ち取ったといえるだろう。
武豊の仕事は終わっていない。ファンは「明日も頼むぞ!」と声援を送った。メイショウサムソンでのジャパンC制覇の期待はますます高まる。「ここまで来たら…。簡単なことではないが、何とか期待に応えたい」。勝利の余韻を振り払い、武豊はきょうの戦いに頭を切り替えた。 (野村英俊)
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