2024年9月15日日曜日

ヴァーミリアン

https://jra-van.jp/fun/memorial/2002100877.html 

ヴァーミリアン長期にわたり君臨したダート王

ヴァーミリアン
Photo by Japan Racing Association

ストーリー

中央、地方のさまざまな競馬場で行われるダート重賞。実力はもちろん、どんな条件でも安定して力を発揮する適応力がなければダート王の座に就くことはできない。ダートでG1・9勝を記録したヴァーミリアンは、そんな条件を見事にクリアしたダート王だった。

ヴァーミリアンのデビューは04年。芝1800mの新馬戦を快勝し、オープン特別で連続2着。そして4戦目のラジオたんぱ杯2歳S(現NIKKEI杯)を制し、クラシックの有力候補に数えられた。ところが翌05年、年明け初戦のスプリングSで14着と大敗すると、皐月賞、京都新聞杯と連続12着。ダービーを断念して秋に備えたが、神戸新聞杯でも10着と、2歳時の力をまったく見せることができなくなってしまった。

ここで、陣営は半兄サカラートが結果を出していたダート路線への転向を決断。その初戦・エニフSで勝利を飾ると、はじめての地方競馬・浦和記念に遠征してここも連勝。ダートで本来の力を見せ始めたのだった。

しかし、翌06年春は船橋のダイオライト記念1勝のみで、本格化はこの年の秋。心房細動明けのジャパンCダート4着で始動すると、名古屋グランプリを6馬身差の圧勝。さらに07年1月の川崎記念では、地方競馬の強豪・アジュディミツオーを4コーナーで楽々と交わし去ってG1初制覇を飾った。

直後のドバイワールドC遠征では大差の4着に敗れたヴァーミリアンだったが、国内ではこの時期から無敵の強さを発揮する。秋初戦・大井のJBCクラシックでフリオーソを問題にせず快勝すると、続くジャパンCダートでは中団追走から直線で抜群の末脚を繰り出しレコードタイムで完勝。返す刀で東京大賞典も楽勝し、この年のJRA賞・最優秀ダートホースに選出された。

年が明けてもヴァーミリアンの強さに陰りは見られず、距離が心配されたフェブラリーSも好位から楽々と抜け出し優勝。さらに、秋にこの年は園田で行われたJBCクラシックでサクセスブロッケンとのマッチレースを制して連覇を達成したのだった。

JBCクラシックでG1・6勝目を挙げたヴァーミリアン。しばらくこの馬の時代が続くかと思われたが、連覇のかかったジャパンCダートでは追い比べで遅れを取って3着。東京大賞典2着を挟み、09年のフェブラリーSでは6着敗退。この時期から中央のダートでは苦戦を強いられるようになっていた。

しかしヴァーミリアンは、地方競馬で相手をねじ伏せるような競馬では強さを発揮し続けた。帝王賞は4角先頭から楽に押し切り、古馬ダート中距離G1の完全制覇を達成。そして秋のJBCクラシックでは、ラチ沿いに押し込められる苦しい態勢からきわどく差し切って、大井、園田、名古屋と3場をまたにかけて3連覇。さらに翌10年には、07年にG1初制覇を飾った思い出の川崎記念を制し、史上最多となるG1・9勝の記録を残して、同年末に現役を引退した。

ほかに7年連続重賞制覇、ダート最多獲得賞金などの記録を残したヴァーミリアン。近親にダイワスカーレットなどがいる名牝系、そして早世したエルコンドルパサーの貴重な後継種牡馬でもあり、その産駒の活躍が期待されている。

性別
出生年月日2002年4月10日
毛色黒鹿毛
エルコンドルパサー
スカーレットレディ
競走成績34戦15勝 (中央:19戦5勝、地方:13戦10勝、海外:2戦0勝)
獲得賞金11億3285万9000円
表彰歴2007年 最優秀ダートホース
主な勝鞍2007年 ジャパンカップダート G1
2008年 フェブラリーステークス G1
2004年 ラジオたんぱ杯2歳ステークス G3
厩舎石坂正(栗東)
生産者/産地ノーザンファーム (早来町)
馬主勝負服サンデーレーシング

競走成績

開催日レース名開催場騎手コース着順1(2)着馬
2010/12/5ジャパンカップダート(G1)阪神武豊ダ180014トランセンド
2010/6/30帝王賞(Jpn1)大井福永祐一ダ20009フリオーソ
2010/1/27川崎記念(Jpn1)川崎武豊ダ21001(フリオーソ)
2009/12/29東京大賞典(Jpn1)大井武豊ダ20002サクセスブロッケン
2009/12/6ジャパンカップダート(G1)阪神武豊ダ18008エスポワールシチー
2009/11/3JBCクラシック(Jpn1)名古屋武豊ダ19001(マコトスパルビエロ)
2009/6/24帝王賞(Jpn1)大井武豊ダ20001(フリオーソ)
2009/2/22フェブラリーステークス(G1)東京武豊ダ16006サクセスブロッケン
2008/12/29東京大賞典(Jpn1)大井武豊ダ20002カネヒキリ
2008/12/7ジャパンカップダート(G1)阪神岩田康誠ダ18003カネヒキリ
2008/11/3JBCクラシック(Jpn1)園田武豊ダ18701(サクセスブロッケン)
2008/3/29ドバイワールドカップ(G1)UAE武豊ダ200012CURLIN
2008/2/24フェブラリーステークス(G1)東京武豊ダ16001(ブルーコンコルド)
2008/1/30川崎記念(Jpn1)川崎武豊ダ2100取消フィールドルージュ
2007/12/29東京大賞典(Jpn1)大井武豊ダ20001(フリオーソ)
2007/11/24ジャパンカップダート(G1)東京武豊ダ21001(フィールドルージュ)
2007/10/31JBCクラシック(Jpn1)大井武豊ダ20001(フリオーソ)
2007/3/31ドバイワールドカップ(G1)UAEルメールダ20004INVASOR
2007/1/31川崎記念(Jpn1)川崎ルメールダ21001(アジュディミツオー)
2006/12/20名古屋グランプリ(G2)名古屋ルメールダ25001(レッドストーン)
2006/11/25ジャパンカップダート(G1)東京ルメールダ21004アロンダイト
2006/5/21東海ステークス(G2)中京幸英明ダ230013ハードクリスタル
2006/3/15ダイオライト記念(G2)船橋内田博幸ダ24001(パーソナルラッシュ)
2006/2/19フェブラリーステークス(G1)東京ルメールダ16005カネヒキリ
2006/1/22平安ステークス(G3)京都武豊ダ18002タガノゲルニカ
2005/11/30浦和記念(G2)浦和武豊ダ20001(ハードクリスタル)
2005/10/15エニフステークス京都武豊ダ18001(ドンクール)
2005/9/25神戸新聞杯(G2)阪神福永祐一芝200010ディープインパクト
2005/5/7京都新聞杯(G2)京都吉田稔芝220012インティライミ
2005/4/17皐月賞(G1)中山M.デムーロ芝200012ディープインパクト
2005/3/20スプリングステークス(G2)中山北村宏司芝180014ダンスインザモア
2004/12/25ラジオたんぱ杯2歳ステークス(G3)阪神武豊芝20001(ローゼンクロイツ)
2004/11/27京都2歳ステークス京都武豊芝20002ローゼンクロイツ
2004/10/30萩ステークス京都武豊芝18002テイエムヒットベ
2004/10/10新馬戦京都武豊芝18001(アウトオブサイト)

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