http://ameblo.jp/mahmoud1933/entry-11810945076.html
2014年04月01日 23時25分42秒
2014 ドバイワールドカップデー 回顧
テーマ:競馬
今年のドバイワールドカップデーでは、日本馬が期待通りに活躍してくれました。ジャスタウェイとジェンティルドンナが勝利するのを戦前から予感していた方は多くいたことでしょうし、また印象に残るような勝ち方を見せてくれたと思います。というわけで、このドバイワールドカップデーをちょっと振り返ってみたいと思いますし、前エントリーでコメントを頂いた方に対するリプライとなるように書いていきましょう。
昨年はラップタイムの自動計測結果がレース後すぐにわかったはずですが、今年はそのTrakusのサイトが重くて全然閲覧できませんでした。しかし、走破タイムはレース映像に表示されており、何と言ってもドバイデューティーフリーの勝ちタイムは衝撃的でしたね。そのレースにおけるTrakusの計測データをまずは検証してみましょう。Trakusのトップページはこちら。
http://www.trakus.com/portal.asp
『Meydan』のバナーをクリックすれば今年のドバイワールドカップデーのラップデータが閲覧できます。
ドバイデューティーフリーの個別ラップ一覧はこちら。
http://tnetwork.trakus.com/tnet/t_Sectional.aspx?OtherInfo=MEY&EventID=57580
200m毎のレースラップはこのようになっています。
14.28 - 10.74 - 10.96 - 11.14 - 11.37 - 12.04 - 12.06 - 11.45 - 11.48
残り200mではもう独走状態となっていたジャスタウェイは、ラスト200mを11.48で走破したことになります。一方、私はラスト1Fを11.8くらいじゃないのかと当日Tweetしました。この差は何なのか、私なりに解説してみます。
このTrakusのサイトでは各馬の100m毎のラップも発表されています。スクリーンショットになりますが全頭分の100m毎のラップはこちら。
『Total』の部分は100m毎のラップを合算した値。『走破タイム』は文字通り、発表された各馬の走破タイムです。最少で0.31秒、最大で0.41秒Time Gapがあるんですね。1000分の1秒単位の値を切り上げ、あるいは切り捨てした影響で少々誤差が出るとしても、これはあまりある誤差ですよね。今回ハナを奪ったトウケイヘイローのテンの100mは8.83。日本式の走破時計に換算する場合、概ね1.2秒マイナスすればOKというのは、過去多くのエントリーで書いてきました。その8.83から1.2マイナスすると7.63。何か遅くないですか?
例えば東京競馬場のダートコースには1300mや2100mという施行距離があるので、公式ラップでテンの100mのラップは良く目にする事ができます。大体7.0~7.4くらいの値がほとんどかと思います。前述のトウケイヘイローの換算値となる7.63。これは非常識と言えるラップなのは間違いありませんね。つまり上記のTime Gap分を、このテンの100mのラップからマイナスすると、より現実味のあるラップになるのです。トウケイヘイローのTime Gapは0.36。したがって最終的な換算値は7.27秒となり、まずまず常識的な範囲になろうかと思います。おそらくですが、Trakusのタイム計測の仕組み上、静止位置からのタイム計測開始のポイント判断に関して、何かしら難点があるんじゃないでしょうか。で、それはそれとして、各馬のトータル走破タイムを発表しているのですから、100m毎のラップの合算値と整合性が取れるよう、キチッと調整するのが筋なのではなかろうかと思うんです。実際に調整しているポイントは、どうやらラスト200m区間をマイナスしているようでして、これじゃJRAとあんまり変わらんやろ、というのは言い過ぎでしょうか・・・。
こういった考えの根拠となるシーンをもう一つ見て頂きましょう。ジャスタウェイのゴール入線時を1:45.52辺りになるよう、レース映像にタイムコードを入れてみた状態の、ラスト400m、200m、ゴール板を先頭馬が通過した瞬間のスクリーンショットです。上記の通り、公式通過タイムはラスト400m地点が1:22.59、ラスト200m地点が1:34.04ですね。
どちらも公式通過タイムは間違っていますね。また、ジャスタウェイのラスト200mは、11.48というラップになるわけありませんね。ラスト200m区間における100m毎のラップの合計値である11.90が正しいのが一目瞭然でしょう。ちなみにこのレース映像ですが、3~4コーナーを映しているカメラと最後の直線を映しているカメラは同期が取れていません。0.2秒少々ズレていますね。
というわけで、テンの200mの値を調整した日本式の全頭個別ラップはこんな感じとなります。
昨年の天皇賞・秋と比べると、結構似ている部分が多いなと感じます。
http://ameblo.jp/mahmoud1933/entry-11656886455.html
その昨年の天皇賞・秋では、ジャスタウェイ以外の馬達は軒並み中間点までに1F11秒そこそこの速いラップを刻んでいました。一方ジャスタウェイは他馬に惑わされることなく、鞍上の福永祐一騎手が見事なペース配分で導き、それが末脚の爆発力を産み出したと言えたわけですが、今回のレースは他馬と同じように道中スピードを上げていたんですね。にもかかわらず、末脚の破壊力は昨年の天皇賞・秋とほぼ同等。この5か月でもう一段パワーアップしたと捉えてもいいんじゃないでしょうか。
ちなみにトウケイヘイローが近走ハナを奪ったレースにおけるテンの1Fを踏まえると、日本式走破タイムへの調整値マイナス1.2秒というのは、若干少なめに設定しているのが何となく感じ取って頂けるかと思います。今回テンの100~200m区間を5.45で走っていますし、東京競馬場のコースレイアウトを考えると、今回のテンの200mはもう少し速くなってもおかしくありませんから、更に0.1あるいは0.2秒マイナスして考えて良いかもしれません。今回ジャスタウェイがマークした勝ち時計は、1800m戦の日本レコードである1:44.1とほぼ同等と見て良さそうですね。素晴らしいの一言以外、何もいらないという驚愕のレースだったと感じました。
では、この日の芝1000m戦であるアルクォズスプリントと比較しながら、ジャスタウェイの走りをスピード指数的に考証してみましょう。このドバイ・メイダン競馬場と同じように直線1000m戦、馬場を半周する1800m戦が施行距離となっている新潟競馬場の、現在私が設定している基準タイムは1000m戦が55.5、1800m戦が1:46.6です。これを基に指数を算出してみると・・・。
アルクォズスプリントの日本式走破タイムは55.0。基準タイムより0.5秒速いのですが、これに1.8を掛けて1800m戦のタイム差に置き換えると0.9秒速いことになります。ドバイデューティーフリーの日本式走破タイムは1:44.3。基準タイムとの差は何と2.3秒。スピード指数の値としては13ほど、ジャスタウェイが上ということになります。まあ、スピード指数の値の基準は様々ですが、例えばロードカナロアが国内でマークした1200m戦の最高値は99と私は算出しています。アルクォズスプリントの勝ち馬Amber Skyが、もし前述のロードカナロア並みの指数を叩き出したとすると、ジャスタウェイのスピード指数は112。私の指数上、芝戦で110オーバーとなったのは、あのサイレンススズカまで遡らなければならなくなります。まあ、少なく見積もっても110の大台に到達していると考えて良さそうです。芝1800m戦というのは、サイレンススズカの絶対領域だったのですが、遂にそのレベルまで到達した、ひょっとすると超えるかもしれないのがジャスタウェイなのだ、という表現も、あながち間違いとは言えない可能性があると思います。ちなみにRacing Postの速報版ではAmber Skyのレートが120、ジャスタウェイが130だそうですが、この走破タイム的考証ならば、ジャスタウェイは133あるいは134くらいでもいいんじゃないの、と思えてしまいます。それくらい強烈な今回の走りだったわけで、これに対抗し得るのはFrankelを持ってくる以外、手はないだろうと断言したいくらいの気持ちでさえあります。
今後はどんな路線を歩んでいくのでしょうか。マイル戦は気持ち短い気がしますが、これだけのハイラップを追走しながら末脚を爆発できるのですから、何ら問題はないかと思います。逆に12F戦では、このようにレースが流れることはありませんから、覚醒する前みたいにスローの追い込み寸足らず、みたいなケースもあるでしょうか。まあそこは、あらかじめ取り分を決めておいて、武豊騎手鞍上のトウケイヘイローとセットで参戦すればいいんじゃないですか。あのTreveを打ち破る可能性は十分あると見ます。あっ、武豊騎手はキズナとのコンビがありますから凱旋門賞だと困りますねえ・・・。
さて、もう1頭の勝者ジェンティルドンナについても簡単ではありますが触れておきましょう。確かにメンバーに恵まれたところはあったと思いますが、少なくともここ数年、ドバイシーマクラシックに参戦する馬を振り返れば、全体的な層の厚さは日本馬がトップだと感じていますし、今回マトモな競馬ができれば、ジェンティルドンナはまず負けないだろうというくらいの力の違いを見せてくれたと思います。鞍上ムーア騎手が最後の直線では苦労していましたが、結局はなんてことのない内容だったですね。おそらく昨年のJCでの走りを参考にして、今回は溜めて末脚の爆発力を引き出す目論見があったのかと思います。そのため1コーナーからは強引なまでに抑え込んで内に入れましたよね。あのシーンで勝負はほぼ決していたのではないでしょうか。
これでG1を6勝目となりますが、3~5勝目の3戦は全てハナ差決着。しかしどれも恵まれて勝ったわけではなかったと思います。典型的な「勝った馬が一番強い」を地で行く名馬だと言えるでしょう。昨秋ジャスタウェイに離されたように打点の高さはもう一つかもしれませんが、G1で勝ち切るという馬はホントに一握りな存在であるわけで、その最たる例は一緒に参戦したデニムアンドルビーとの差。昨年のJC回顧で、案外大きなハナ差なんじゃないかと書いた覚えがあるのですが、今回は大きく明暗を分けた形となりました。正直、数値的な部分でジェンティルドンナの強さを表現するのは難しいのですが、端的に牡馬混合の12F戦国際G1を3勝というのは凄いんじゃないでしょうか。
この馬に関しては、やはりオルフェーヴルとの死闘となった2012JCが非常に印象的でして、あのようなレース展開がジェンティルドンナのゾーンと言えるのだと思います。今回のレースはちょっとドタバタしたものの、基本的にはその2012JCを再現するかのような戦略だったと思いますし、もう一丁、どこかで栄冠に輝くといいですねえ。若干カテゴリーは違う雰囲気がありますが、鞍上を変更してもキッチリ答えを出せるところは、ウオッカにダブるところがあります。次の目標はJC3連覇なのでしょうか。それとも凱旋門賞?
今回はこのあたりで。
昨年はラップタイムの自動計測結果がレース後すぐにわかったはずですが、今年はそのTrakusのサイトが重くて全然閲覧できませんでした。しかし、走破タイムはレース映像に表示されており、何と言ってもドバイデューティーフリーの勝ちタイムは衝撃的でしたね。そのレースにおけるTrakusの計測データをまずは検証してみましょう。Trakusのトップページはこちら。
http://www.trakus.com/portal.asp
『Meydan』のバナーをクリックすれば今年のドバイワールドカップデーのラップデータが閲覧できます。
ドバイデューティーフリーの個別ラップ一覧はこちら。
http://tnetwork.trakus.com/tnet/t_Sectional.aspx?OtherInfo=MEY&EventID=57580
200m毎のレースラップはこのようになっています。
14.28 - 10.74 - 10.96 - 11.14 - 11.37 - 12.04 - 12.06 - 11.45 - 11.48
残り200mではもう独走状態となっていたジャスタウェイは、ラスト200mを11.48で走破したことになります。一方、私はラスト1Fを11.8くらいじゃないのかと当日Tweetしました。この差は何なのか、私なりに解説してみます。
このTrakusのサイトでは各馬の100m毎のラップも発表されています。スクリーンショットになりますが全頭分の100m毎のラップはこちら。
『Total』の部分は100m毎のラップを合算した値。『走破タイム』は文字通り、発表された各馬の走破タイムです。最少で0.31秒、最大で0.41秒Time Gapがあるんですね。1000分の1秒単位の値を切り上げ、あるいは切り捨てした影響で少々誤差が出るとしても、これはあまりある誤差ですよね。今回ハナを奪ったトウケイヘイローのテンの100mは8.83。日本式の走破時計に換算する場合、概ね1.2秒マイナスすればOKというのは、過去多くのエントリーで書いてきました。その8.83から1.2マイナスすると7.63。何か遅くないですか?
例えば東京競馬場のダートコースには1300mや2100mという施行距離があるので、公式ラップでテンの100mのラップは良く目にする事ができます。大体7.0~7.4くらいの値がほとんどかと思います。前述のトウケイヘイローの換算値となる7.63。これは非常識と言えるラップなのは間違いありませんね。つまり上記のTime Gap分を、このテンの100mのラップからマイナスすると、より現実味のあるラップになるのです。トウケイヘイローのTime Gapは0.36。したがって最終的な換算値は7.27秒となり、まずまず常識的な範囲になろうかと思います。おそらくですが、Trakusのタイム計測の仕組み上、静止位置からのタイム計測開始のポイント判断に関して、何かしら難点があるんじゃないでしょうか。で、それはそれとして、各馬のトータル走破タイムを発表しているのですから、100m毎のラップの合算値と整合性が取れるよう、キチッと調整するのが筋なのではなかろうかと思うんです。実際に調整しているポイントは、どうやらラスト200m区間をマイナスしているようでして、これじゃJRAとあんまり変わらんやろ、というのは言い過ぎでしょうか・・・。
こういった考えの根拠となるシーンをもう一つ見て頂きましょう。ジャスタウェイのゴール入線時を1:45.52辺りになるよう、レース映像にタイムコードを入れてみた状態の、ラスト400m、200m、ゴール板を先頭馬が通過した瞬間のスクリーンショットです。上記の通り、公式通過タイムはラスト400m地点が1:22.59、ラスト200m地点が1:34.04ですね。
どちらも公式通過タイムは間違っていますね。また、ジャスタウェイのラスト200mは、11.48というラップになるわけありませんね。ラスト200m区間における100m毎のラップの合計値である11.90が正しいのが一目瞭然でしょう。ちなみにこのレース映像ですが、3~4コーナーを映しているカメラと最後の直線を映しているカメラは同期が取れていません。0.2秒少々ズレていますね。
というわけで、テンの200mの値を調整した日本式の全頭個別ラップはこんな感じとなります。
昨年の天皇賞・秋と比べると、結構似ている部分が多いなと感じます。
http://ameblo.jp/mahmoud1933/entry-11656886455.html
その昨年の天皇賞・秋では、ジャスタウェイ以外の馬達は軒並み中間点までに1F11秒そこそこの速いラップを刻んでいました。一方ジャスタウェイは他馬に惑わされることなく、鞍上の福永祐一騎手が見事なペース配分で導き、それが末脚の爆発力を産み出したと言えたわけですが、今回のレースは他馬と同じように道中スピードを上げていたんですね。にもかかわらず、末脚の破壊力は昨年の天皇賞・秋とほぼ同等。この5か月でもう一段パワーアップしたと捉えてもいいんじゃないでしょうか。
ちなみにトウケイヘイローが近走ハナを奪ったレースにおけるテンの1Fを踏まえると、日本式走破タイムへの調整値マイナス1.2秒というのは、若干少なめに設定しているのが何となく感じ取って頂けるかと思います。今回テンの100~200m区間を5.45で走っていますし、東京競馬場のコースレイアウトを考えると、今回のテンの200mはもう少し速くなってもおかしくありませんから、更に0.1あるいは0.2秒マイナスして考えて良いかもしれません。今回ジャスタウェイがマークした勝ち時計は、1800m戦の日本レコードである1:44.1とほぼ同等と見て良さそうですね。素晴らしいの一言以外、何もいらないという驚愕のレースだったと感じました。
では、この日の芝1000m戦であるアルクォズスプリントと比較しながら、ジャスタウェイの走りをスピード指数的に考証してみましょう。このドバイ・メイダン競馬場と同じように直線1000m戦、馬場を半周する1800m戦が施行距離となっている新潟競馬場の、現在私が設定している基準タイムは1000m戦が55.5、1800m戦が1:46.6です。これを基に指数を算出してみると・・・。
アルクォズスプリントの日本式走破タイムは55.0。基準タイムより0.5秒速いのですが、これに1.8を掛けて1800m戦のタイム差に置き換えると0.9秒速いことになります。ドバイデューティーフリーの日本式走破タイムは1:44.3。基準タイムとの差は何と2.3秒。スピード指数の値としては13ほど、ジャスタウェイが上ということになります。まあ、スピード指数の値の基準は様々ですが、例えばロードカナロアが国内でマークした1200m戦の最高値は99と私は算出しています。アルクォズスプリントの勝ち馬Amber Skyが、もし前述のロードカナロア並みの指数を叩き出したとすると、ジャスタウェイのスピード指数は112。私の指数上、芝戦で110オーバーとなったのは、あのサイレンススズカまで遡らなければならなくなります。まあ、少なく見積もっても110の大台に到達していると考えて良さそうです。芝1800m戦というのは、サイレンススズカの絶対領域だったのですが、遂にそのレベルまで到達した、ひょっとすると超えるかもしれないのがジャスタウェイなのだ、という表現も、あながち間違いとは言えない可能性があると思います。ちなみにRacing Postの速報版ではAmber Skyのレートが120、ジャスタウェイが130だそうですが、この走破タイム的考証ならば、ジャスタウェイは133あるいは134くらいでもいいんじゃないの、と思えてしまいます。それくらい強烈な今回の走りだったわけで、これに対抗し得るのはFrankelを持ってくる以外、手はないだろうと断言したいくらいの気持ちでさえあります。
今後はどんな路線を歩んでいくのでしょうか。マイル戦は気持ち短い気がしますが、これだけのハイラップを追走しながら末脚を爆発できるのですから、何ら問題はないかと思います。逆に12F戦では、このようにレースが流れることはありませんから、覚醒する前みたいにスローの追い込み寸足らず、みたいなケースもあるでしょうか。まあそこは、あらかじめ取り分を決めておいて、武豊騎手鞍上のトウケイヘイローとセットで参戦すればいいんじゃないですか。あのTreveを打ち破る可能性は十分あると見ます。あっ、武豊騎手はキズナとのコンビがありますから凱旋門賞だと困りますねえ・・・。
さて、もう1頭の勝者ジェンティルドンナについても簡単ではありますが触れておきましょう。確かにメンバーに恵まれたところはあったと思いますが、少なくともここ数年、ドバイシーマクラシックに参戦する馬を振り返れば、全体的な層の厚さは日本馬がトップだと感じていますし、今回マトモな競馬ができれば、ジェンティルドンナはまず負けないだろうというくらいの力の違いを見せてくれたと思います。鞍上ムーア騎手が最後の直線では苦労していましたが、結局はなんてことのない内容だったですね。おそらく昨年のJCでの走りを参考にして、今回は溜めて末脚の爆発力を引き出す目論見があったのかと思います。そのため1コーナーからは強引なまでに抑え込んで内に入れましたよね。あのシーンで勝負はほぼ決していたのではないでしょうか。
これでG1を6勝目となりますが、3~5勝目の3戦は全てハナ差決着。しかしどれも恵まれて勝ったわけではなかったと思います。典型的な「勝った馬が一番強い」を地で行く名馬だと言えるでしょう。昨秋ジャスタウェイに離されたように打点の高さはもう一つかもしれませんが、G1で勝ち切るという馬はホントに一握りな存在であるわけで、その最たる例は一緒に参戦したデニムアンドルビーとの差。昨年のJC回顧で、案外大きなハナ差なんじゃないかと書いた覚えがあるのですが、今回は大きく明暗を分けた形となりました。正直、数値的な部分でジェンティルドンナの強さを表現するのは難しいのですが、端的に牡馬混合の12F戦国際G1を3勝というのは凄いんじゃないでしょうか。
この馬に関しては、やはりオルフェーヴルとの死闘となった2012JCが非常に印象的でして、あのようなレース展開がジェンティルドンナのゾーンと言えるのだと思います。今回のレースはちょっとドタバタしたものの、基本的にはその2012JCを再現するかのような戦略だったと思いますし、もう一丁、どこかで栄冠に輝くといいですねえ。若干カテゴリーは違う雰囲気がありますが、鞍上を変更してもキッチリ答えを出せるところは、ウオッカにダブるところがあります。次の目標はJC3連覇なのでしょうか。それとも凱旋門賞?
今回はこのあたりで。
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