【ドバイWCデー】昨年の雪辱だ!ヴァーミリアン、武豊と頂点狙う
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ドバイ入り後も順調に調整を続けているヴァーミリアン。世界制覇へ向けて態勢は整った(AP)
【UAEドバイ24日=下村静史】今週の29日(日本時間同日深夜)に、UAEドバイでドバイワールドCデー(ナドアルシバ競馬場)が開催される。日本からの参戦は4頭。中でも注目は世界最高賞金、総額600万ドル(約6億円)のドバイワールドC(GI、ダ2000メートル)のヴァーミリアン。国内GI5連勝を達成しての参戦で、昨年4着の雪辱を果たせるか注目だ。
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逞しい成長を遂げた今ならば、昨年以上の結果が期待できるはずだ。1年の時を経てヴァーミリアン(栗・石坂、牡6)が再び、世界の頂上決戦に出陣する。
昨年はインヴァソールから15馬身離された4着に終わったが、その後、国内でJBCクラシック、JCダート、東京大賞典、フェブラリーSとGIを4連勝。過去の日本の挑戦馬と比較しても最強と呼べるほどになっており、チャンスは十分あるはずだ。
12日の京都競馬場での国内最終追い切りでは、ダート6ハロン73秒9、4ハロン48秒7-35秒9-12秒1の好タイムを楽にマークした。川崎記念を出走取消後、フェブラリーSを快勝した反動もなく、順調ぶりをアピール。「いい動きでした。坂路では動かないが、ダートではやはり動く。何も気にするところはないですね」と調教に跨った武豊騎手=写真右=は好調を感じ取った。
ただし、ヴァーミリアンが本調子にあっても、待ち構える敵はかなり手ごわい。昨年のプリークネスS、BCクラシックを勝ったアメリカの強豪カーリンは、同じ競馬場で前哨戦を使った方がいいタイプとのことで早めにドバイ入り。2月28日のハンデ戦を、他の5頭よりも7キロ重い60キロを背負って快勝。2分00秒60(良)のタイムも優秀だ。先週17日の追い切りでも力強い動きを見せて、本番ではさらに調子を上げてくるだろう。
6日のマクトゥームチャレンジIII(GII)を快勝したジャリルはゴドルフィンの期待馬。今年に入ってドバイで3連勝中で、2分00秒35(良)の勝ちタイムは、ドバイミレニアムの持つコースレコード1分59秒50に迫るものだ。ここへきての勢いは侮れない。
ヴァーミリアンの石坂調教師は「去年とは馬が違う。日本だからGIを4連勝できたといわれないような競馬をしてほしい」と願っている。世界の強敵に迫り、そして打ち負かすことができるのか。頂上決戦に注目だ。
★ウオッカ距離味方・デューティフリー
昨年はアドマイヤムーンが勝ち、ダイワメジャーが3着と日本馬が大活躍。軽い芝のスピード勝負が得意な日本馬にとって、芝1777メートルは世界と互角に戦える条件だ。今年の2頭も能力的にチャンスは十分だろう。
ウオッカ(栗・角居、牝4)は昨年のダービー制覇以降、中長距離を使われているが、2歳時に阪神JFを制しているようにスピードは豊富だ。この距離で変わり身があって不思議ない。武豊騎手との新コンビも魅力十分だ。アドマイヤオーラ(栗・松田博、牡4)はGI勝ちの実績こそないが、京都記念Vからのステップは昨年のムーンと同じ。充実著しい時期だけに期待が持てる。
強力なライバルとみられていたラモンティが脚部不安で回避。フランスオークス馬ウェストウィンドは、9月の仏GIヴェルメイユ賞2着以来、半年ぶりの実戦がどうか。仏1000ギニー、ムーランドロンシャン賞を制しているダルジナは芝1600メートル戦しか走った経験がなく、距離延長は微妙。実績上位馬がそれぞれに不安を抱えているだけに、日本馬ワンツーのシーンまであるかもしれない。
★イイデケンシン、意欲十分の参戦!・UAEダービー
交流GI全日本2歳優駿の覇者イイデケンシン(栗・昆、牡3)が意欲十分の参戦。前走の共同通信杯は13着と惨敗したものの「芝の速い流れを経験したことは今回に生きるはず」と昆調教師は前向きだ。ダートは2戦2勝とまだ底を見せておらず「自分のペースならば粘り強いし、過去のラップを見れば十分に前に行ける」と昆師は自分の競馬ができるとみている。
強敵はGIIIのUAE2000ギニーの勝ち馬で、前哨戦のアルバスタキヤ(G外)2着オナーデヴィル、UAE2000ギニー2着でアルバスタキヤの勝ち馬ロイヤルヴィンテージのM・デコック(UAE/南アフリカ)厩舎2頭となりそうだ。
★円高で賞金目減り
最近の急激な円高によって、米ドルで賞金が交付される世界最高額のドバイワールドCも、円にするとかなり目減りしている。額は総額600万ドル、1着が360万ドル。昨年の今頃は1ドル118円程度だったので総額7億800万円、1着4億2480万円。これに対し、24日は100円程度なので、総額は1億800万円、1着は6480万円と、日本のGII1レース分ほども減ることになる。
★枠順確定日変更
ドバイ国際レースの枠順確定は当初、ワールドCが26日で、それ以外のレースは24日の予定だったが、すべて26日に変更された。日本時間で26日午後10時頃の予定。
★テレビ中継
29日のドバイワールドCデーの各競走の模様は、グリーンチャンネルで放送される。第一部は29日午後11時から同11時30分まで。第二部は30日午前零時から同3時まで(すべて日本時間)。第一部ではUAEダービー、第二部ではドバイデューティフリー、ドバイシーマクラシック、ドバイワールドCが放送される。
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