2014年4月2日水曜日

回顧

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/other/horse/2014/columndtl/201403310003-spnavi?page=1
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/other/horse/2014/columndtl/201403310003-spnavi?page=2
ジェンティル&ジャスタ優勝、日本馬強し
奥野庸介のドバイミーティング回顧
JRA-VAN
2014年3月31日 19:30

日本勢のベルシャ、タルマエは完敗 地元馬がV

ドバイWCを制したのは地元馬のアフリカンストーリー。2着に2馬身半差をつけて優勝した
ドバイWCを制したのは地元馬のアフリカンストーリー。2着に2馬身半差をつけて優勝した【photo by Hideaki Mori】
[ドバイワールドカップ]

 タペタトラックとなって5年目のG1ドバイWCは逃げる英国馬ムカドラムを射程圏に入れて内ラチぴったりの好ポジションを進んだ地元の7歳去勢馬アフリカンストーリーが残り300mでスパート。ムカドラムに2馬身半差をつけて優勝した。勝ち時計の2分01秒61はメイダン競馬場に変わってからの最速タイム。墨色に近づいた馬場は例年以上に軽かったようだ。

 2着馬から4馬身差の3着にも出走枠の最後に滑り込んだキャットオーマウンテンが入線。実績で見劣り、戦前は注目されなかった馬たちが上位を独占した。

 日本から参戦したベルシャザールは馬群中団を追走したが、直線入り口で早くもルメール騎手のムチが入って11着。向正面で2番手に押し上げたホッコータルマエは最終コーナー手前で手応えが怪しくなり、しんがりの16着。想像以上に馬場が応えたようだ。

 下馬評の高かった香港年度代表馬のミリタリーアタック(10着)、英ダービー馬ルーラーオブザワールド(13着)、昨年の2着馬レッドカドー(6着)など直線に賭けた芝向きの馬たちは総崩れ。前哨戦を連勝していたプリンスビショップは見せ場もなく9着に終わった。タペタへの適性とともに当日のデキが大きくものを言う結果となった。

 勝ったアフリカンストーリーは昨年の5着馬。今年初戦のマクトゥームチャレンジR2でプリンスビショップの2着、前哨戦となったマクトゥームチャレンジR3も同じ相手に8着と着順を下げていて、人気の盲点になっていた。マクトゥームチャレンジR3をステップに2度目の挑戦を実らせたのは2010年のグロリアデカンペオンや12年のモンテロッソと同パターン。メイダンの過去4回の勝ち馬がそうだったように、このレースを制すには逃げ切り、もしくは直線早めに先頭に立つことが絶対条件だ。

 今年は史上初めて米国馬の参戦がなく、一部の関係者からはAWトラックをダートに戻す提案が持ち上がるなど、新競馬場開設から5年の歳月を経て、世界最高賞金レースのあり方が見直される時期に来ているようだ。

ジェンティルドンナ優勝、昨年の雪辱果たす

昨年2着の雪辱を果たしたジェンティルドンナ。鮮やかに差し切り、強さを見せつけた
昨年2着の雪辱を果たしたジェンティルドンナ。鮮やかに差し切り、強さを見せつけた【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
[ドバイシーマクラシック]

 5番手で直線入り口を迎えたジェンティルドンナがものの違いを見せつけて優勝。昨年2着の雪辱を果たした。日本馬の優勝は01年のステイゴールド、06年のハーツクライに続いて3頭目だが、メイダンの芝2410mになってからは初。優勝タイムの2分27秒25は従来のコースレコードを0秒25塗り替えた。

 直線でエンジンがかかった時に前を行くアンビヴァレントとジェンティルドンナの外から封じ込めるように馬体を寄せてきたシリュスデゼーグル(C・スミヨン騎手)に行く手を阻まれる大きなピンチに見舞われたが、そこからさらに強いパンチを繰り出した「強さ」こそがジェンティルドンナの真骨頂。行き場を失いながら体勢を立て直して外に持ち出したR・ムーア騎手のとっさの手綱さばきも見事だった。

 日々の調教で「馬群の外に出たら全速前進」を教え込まれる欧州調教馬のような競馬にしびれた。デニムアンドルビーが押し出されるように先頭に立つ予期せぬ出来事に目を奪われる間に過ぎた最初のターンでもジェンティルドンナにはツキがあった。2コーナーにさしかかる瞬間、ジェンティルドンナの左斜め後方の最内にいたマーズが馬群を突き破るように突然外に向かって暴走。ジェンティルドンナの尻尾をかすめて後続のドゥナデンの鼻先を横切り、馬群の外にいたエンポリに衝突するなど複数の馬に被害を与えた。コントロール不能となったマーズは向正面で外ラチに激突(R・ヒューズ騎手はラチの外に投げ出されて重傷)して競走を中止したが、もし、あの時に接触があったなら、かなりの痛手を負ったことだろう。

 デニムアンドルビーは調子の良さが裏目に出てしまった格好。直線まで浜中騎手の手は動かずにいたが、残り400m地点でアンビヴァレントに並ばれると徐々に後退。息の入らない展開だっただけに敗戦(10着)は致し方ないが、彼女の本来の競馬ができなかったことが悔やまれる。

 ジェンティルドンナが2着のシリュスデゼーグルにつけた着差は1馬身半。その走りは日本馬のレベルの高さをあらためて世界に知らしめた。この日のような競馬ぶりなら世界のどこに出ても通用するのではないか。

中距離王者ジャスタウェイが圧巻制覇

福永騎手が騎乗したジャスタウェイは海外G1初優勝。圧巻のパフォーマンスで世界の壁を突き破った
福永騎手が騎乗したジャスタウェイは海外G1初優勝。圧巻のパフォーマンスで世界の壁を突き破った【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
[ドバイデューティフリー]

 名馬誕生の瞬間だった。後方に位置し、残り300mで先頭に躍り出たジャスタウェイが次元の違うフットワークでゴールに突き進む。日本の中距離王者が世界が注視する中で目をみはるパフォーマンスを演じきった。

 6戦全勝で底を見せていなかった南アフリカのヴェルシンゲトリクスが必死にもがくも、福永祐一騎手のまとう緑と黒の勝負服は遠のくばかり。5か月前にカリフォルニアでG1BCフィリー&メアターフを制し、層の厚い欧州牝馬のトップグループにのし上がったダンクの姿もかすんだ。2着との着差は6馬身1/4。芝1800mの勝ち時計は前年の覇者サージャーが樹立したコースレコード(1分47秒93)を2秒半も短縮する驚異の1分45秒52。天皇賞・秋で一気に開花した素質は遠くドバイの地で世界の壁を難なく突き破った。父ハーツクライ譲りの成長力があればこその素晴らしいパフォーマンスである。

 注文通りの逃げとなったトウケイヘイローだったが、今回はマークがきつくなって息を入れる間を与えられず、直線半ばで馬群に飲み込まれて7着。走りぶりを見ると右回りの、それも馬場を一周する2ターンの競馬の方が向いているように思える。また12番枠から出たロゴタイプは、C・デムーロ騎手が外め中団に誘導して機を狙ったが、ペースが上がるとついて行けず、馬群に揉まれる不利もあって6着に終わった。

 英国ブックメーカーの1番人気に推されたザフューグはトウケイヘイローを前に見る絶好位に陣取ったものの勝負どころでW・ビュイック騎手の腕が動き始め、徐々に後退。本来の姿を見せることなく11着でレースを終えた。パンパンの良馬場以外にも目に見えない部分で問題を抱えていたのかもしれない。

 ジャスタウェイは5月の香港の2競走に登録があるが、ここは回避する模様。文句なしの勝利でレーティング(123)は超一流馬に与えられる130に近づくことが予想される。これからは名実ともに世界の中距離王としてさらなる高みを目指す。

ブライトラインは直線でかわされ5着

スタートで出遅れたブライトラインは5着。残り50mまで3番手を保ったものの、最後2頭にかわされた
スタートで出遅れたブライトラインは5着。残り50mまで3番手を保ったものの、最後2頭にかわされた【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
[ゴドルフィンマイル]

 南アフリカの強豪2騎が持てる力を出し切った。優勝したバラエティークラブは外枠発走もダッシュを利かせて注文通りの単騎逃げ。1馬身差の2着したソフトフォーリングレインはライバルに圧力をかけながら2番手という絶好の展開だったが、メイダンのタペタトラックは前が止まらない。勝ちパターンに持ち込んだバラエティークラブの脚色はゴールまで衰えることはなかった。

 日本にはないゲートボーイの扶助がうまくいかずスタートで後手に回ったブライトラインは、2強を前に置いて3番手追走の積極策も、直線に入ると不慣れな路面が足を引っ張る。残り50mまで3番手を保ったものの、欧州クラシック馬の意地を見せて猛追したフロティラ(3着)と最内に飛び込んだゴールドシティー(4着)の2頭にかわされて5着で入着した。

 バラエティークラブは前哨戦こそ2着に敗れたが、本番はきっちりと仕上げての登場。A・マーカス騎手の的確な手綱とM・デコック師の活躍に刺激されて中東に乗り込んだJ・ラムズデン師の手腕が光った。バラエティークラブの通算成績は22戦16勝、2着4回。マイル戦なら芝でもAWでも高いポジションにいることが明らかになった。

 敗れたとはいえ、ブライトラインも勝ち馬から約2馬身半差。10年に4着したグロリアスノア(勝ち馬から3馬身半差)に着順で及ばなかったが、相手関係や初物づくめを考慮すると健闘と言えるのではないか。タペタの実戦を一度経験していれば結果は違ったかもしれない。

 なお、勝ったバラエティークラブはひと息入れて、5月4日のG1チャンピオンズマイル(香港・シャティン、芝1600m)に向かう。パワーも十分あり、時計のかかる香港の芝も合いそうだ。

(文:奥野庸介)

塚へ

http://www.hochi.co.jp/horserace/20140402-OHT1T50008.html

ジェンティル宝塚へ

2014年4月2日6時0分  スポーツ報知
 ドバイ・シーマクラシックで昨年2着の雪辱を果たしたジェンティルドンナ(牝5歳、栗東・石坂厩舎)は、帰国初戦で宝塚記念(6月29日、阪神)を視野に入れる。「帰ってきてからの状態を見てだが、日程的には宝塚かな。2度目の経験ということで、検疫に慣れていたし、ドバイ入りしてからも違った」と石坂調教師。ほかの7頭とともに5日の午前6時に関西空港に到着予定で、兵庫・三木ホースランドパークでの輸入検疫を経て、ノーザンファームしがらきで着地検査に入る。
 また、ドバイ・デューティフリーを圧勝したジャスタウェイ(牡5歳、栗東・須貝厩舎)は、上半期は国内に専念する可能性が高い。「世界レベルであることは証明できたが、日本の競馬のことも考えないと」と安田記念(6月8日、東京)が目標となりそうだ。ドバイ・ワールドC11着のベルシャザール(牡6歳、栗東・松田国厩舎)は、エルムS(7月27日、札幌)を視野。「異質なタペタで、あの時計だと、何回か競馬していないと難しいかも」と松田国調教師は敗因を挙げた。
 シーマクラシック10着のデニムアンドルビー(牝4歳、栗東・角居厩舎)、ゴドルフィンマイル5着のブライトライン(牡5歳、栗東・鮫島厩舎)の今後は未定。

辱だ

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/04/02/kiji/K20140402007892850.html

ジェンティルドンナ宝塚記念へ 海外G1制覇の次は昨年3着の雪辱だ

 ドバイシーマクラシックを制し、念願の海外G1制覇を果たしたジェンティルドンナ(牝5=石坂)は、今年も宝塚記念(6月29日、阪神)が国内復帰戦となる見通しとなった。1日、石坂師が語った。

 「あくまでも馬の帰国後になるが、日程的には宝塚記念になるだろう」と今後について語り、「やはりこの馬は強かった。レース後も変わりなく普通の顔をしていた」と笑顔を見せた。

 馬は他の日本馬7頭とともに4日に現地を出発し、5日に関西国際空港へと戻る予定。その後は三木ホースランドパーク(兵庫県)で1週間の輸入検疫となる。

 昨年もドバイシーマクラシック(2着)後は宝塚記念に参戦したが、力みが目立って3着。そのリベンジを狙う。秋にはジャパンC3連覇の偉業に挑む。
[ 2014年4月2日 05:30 ]

予定

http://race.sanspo.com/keiba/news/20140402/ove14040205560000-n1.html
2014.4.2 05:03

ジェンティルは宝塚を視野、ドバイ組が5日帰国予定

 3月29日のドバイワールドカップデーに出走した日本馬全8頭は、4日の15時50分(日本時間20時50分)にドバイを出国。翌5日の午前6時に関西国際空港に帰国する予定。その後、兵庫県の三木ホースランドパークで輸入検疫を受ける。
 シーマクラシックを制したジェンティルドンナ(栗・石坂、牝5)は、宝塚記念(6月29日、阪神、GI、芝2200メートル)を視野に入れていることが分かった。1日、石坂調教師が明らかにした。「強かったね。(次走は)日程的には宝塚記念だけど、馬の様子を見てから決めたい」と語った。
 デューティフリーを快勝したジャスタウェイ(栗・須貝、牡5)は次走に安田記念(6月8日、東京、GI、芝1600メートル)を予定しているが、「世界で力を証明できた。日本でも競馬を盛り上げたいし、いろいろと考えていきたい」と須貝調教師は今後について含みを持たせた。
 ワールドカップ11着ベルシャザール(栗・松田国、牡6)は、エルムS(7月27日、札幌、GIII、ダ1700メートル)を視野に入れている。シーマクラシック10着デニムアンドルビー(栗・角居、牝4)の次走は未定。デューティフリー6着ロゴタイプ(美・田中剛、牡4)も次走は未定。

2014年4月1日火曜日

優勝

http://ridingbasic.com/okadashuhei_blog/?p=5821

女王ジェンティルドンナ! ライアン・ムーア騎乗 ドバイシーマクラシック優勝

日本馬がドバイで連勝

ジャスタウェイの圧勝劇の興奮が冷めやらぬ中、シーマクラシックの時間になりました。このレースは昨年のジャパンカップ1・2着のジェンティルドンナ・デニムアンドルビーが出走するのでジャパンカップの世界におけるポジションを誇示する時が来ました。実際に海外のメディアからもジェンティルドンナのジャパンカップ連覇は知ってるが前走はどうしたんだ?とかデニムアンドルビーはジャパンカップ2着からぶっつけだが大丈夫なのか?と言った質問を受けるほど日本馬に対して注目を集めてました。

レース回顧

1周が2400mのメイダン競馬場の芝コースはゴール板とスタートが重なるのでゲートが移動出来ない!という理由で2410mで行われており、撮影ポジションのすぐ前から発走するレースです。
絶好のスタート切った日本の二頭、デニムアンドルビーはそのまま先頭へ立ち外枠スタートのジェンティルドンナは少し下げて内ラチ沿いに進路を取りうまく好位に取り着いた。
まさかの逃げる展開になったデニムアンドルビーが楽な感じで引っ張り、ジェンティルドンナは狙った内側の7番手を追走。1コーナーで起こったアクシデント(MARSが競走中止)の影響無くレースが進みました。
直線に向いた残り400m付近で逃げたデニムアンドルビーがいっぱいになると、すっと4番手までポジションを上げたジェンティルドンナが内を狙うもカットされて、一度下げてからもう一度内を狙うもさらにカット!残り200m付近で外に持ち出すと持ち前の勝負根性を前面に押し出して1頭だけ次元の違う伸び脚を見せて圧巻の走りで1着でゴール板を駆け抜けました。(タイム2:27:25)2着には一昨年の覇者のCIRRUS DES AIGLES(シュリュスデゼーグル)が入った。(着差は1馬身半)逃げたデニムアンドルビーは10着でゴールしました。
勝ったジェンティルドンナは昨年2着の雪辱を果たし海外G1初制覇(通算6勝目)を飾った。
馬場へ向かうデニムアンドルビー
パドックから馬場へ向かうデニムアンドルビー

馬場へ向かうジェンティルドンナ
パドックから馬場へ向かうジェンティルドンナ

返し馬のデニムアンドルビー
返し馬のデニムアンドルビー

返し馬のジェンティルドンナ
返し馬のジェンティルドンナ

シーマクラシック1
前が開いた!

シーマクラシック2
脚色が違う

シーマクラシック3
昨年の雪辱を果たす

シーマクラシック4
海外G1初勝利

シーマクラシック5
デニムアンドルビーは10着で入線

ウイニングラン
ウイニングラン

ライアンポーズ
ライアンポーズ

勝ち馬撮影1
ウイナーズサークルに入って来た

勝ち馬撮影2
勝ち馬撮影

優勝請負人のムーア騎手
優勝請負人のムーア騎手

この日のドバイミーティングでは香港馬が2勝していてデューティーフリーに続き日本馬も2勝を挙げアジアデーになりました!
仲良しの香港メディアと共に大盛り上がりしました、やはり現場での興奮は良いもんですね。


長らくご愛顧頂いた「The岡田修平」も今回が最後の更新です。ありがとうございました!





今日は何の日? そう!最後の一文はエイプリルフールです(笑)

上記の撮影はCanonEOS1D-x,1Dmk3,400mmF2.8,70-200F2.8,24-105F4,を使ってます。


「にほんブログ村」に登録しています。ポチっとクリックすると、一日一回ワタシにポイントが付くように成っています。どうぞ応援宜しくお願いします! 
にほんブログ村 競馬ブログ 競馬写真へ

ム]

http://pc.keibalab.jp/topics/22003/

ドバイワールドカップデー回顧②[和田栄司コラム]

2014-04-01 10:29 更新
光のショーが終わり、歌手で俳優のジェニファー・ロペスが出て来て、レース後のコンサートを告知、そしてDWCはいよいよクライマックスへと突入する。最初のG1ドバイデューティーフリー(芝1800m)から総賞金は500万米ドルと大幅にアップ、そのレースで日本のジャスタウェイが、世界中が驚いた桁違いのレース振りで優勝した。

トウケイヘイローの単騎逃げでスローペースを予想したが、半マイル47秒12のとんでもないハイペースである。11番手のジャスタウェイは、ラスト600m34秒31、ラスト200m11秒48でまとめ、サージャーの記録を2秒41短縮する1分45秒52のコースレコードを樹立した。これは後にも先にも到底破ることの出来ない記録となりそうである。

ザフューグは好スタートもあって前々、対照的にダンクは後ろから2番手、南アフリカのヴァーシンゲトリクスとアナエロビオも中団の後ろから、予想した展開とは全く違った。ヴァーシンゲトリクスが直線残り300mで抜け出そうというところを、2馬身差で追走したジャスタウェイが並ぶ間もなく交わし、その差はゴールで6馬身4分の1に広がった。

内を縫うように追い上げたダンクが1馬身4分の3差3着、ムシャーウィッシュが1馬身4分の1差4着。トウケイヘイローのペースが明暗を分けた。ザフューグ11着、香港のブレイジングスピードは10着。須貝尚介調教師はこの後のレースを聞かれ「安田記念」ときっぱり答える。ジャスタウェイの驚異的勝ち方に驚いた香港勢は、昨年のロードカナロアに続いて、今年も安田記念をパスしそうである。

続くG1ドバイシーマクラシック(芝2410m)は15頭立て。このレースも日本のデニムアンドルビーが逃げ、対照的に先行すると思われたアンビヴァレントが安目を売って予期せぬ展開となった。初手はいわゆるダンゴ状態、後手を踏んだアンビヴァレントも徐々に前に押し上げて行く。1~2コーナー中間、中団の内にいたマーズにアクシデントが発生、逸走して騎手を放り落した。これでダンゴ状態は崩れ、縦長の展開に変わった。

半マイル50秒87は平均ペース。人気のマジシャンは11番手、ジェンティルドンナは8番手。直線残り400m、4番手からアンビヴァレントが抜け出す。アンビヴァレントを追走してシリュスデゼーグル、2頭が抜け出した。内にいたジェンティルドンナは2頭が壁になり、最内のデニムアンドルビーと接触するような窮屈な競馬になった。しかし、残り200mの手前から外に出して追い出し100m残して先頭に立った。

勝ちタイムは2分27秒25、これも昨年のセントニコラスアビーの時計をコンマ45上回るレコードとなった。1馬身半差で一旦200m残して先頭に立ったシリュスデゼーグルが2着に入り、半馬身差3着にアンビヴァレントが残った。ドミナントは14番手から大外を追い込んで5着、マジシャンは6着、いかにも追い出しが遅れた。それにしてもライアン・ムーア騎手が最新情報⑤で紹介したように、アンビヴァレントを要注意馬に挙げていたのには驚かされる。同馬は英国で50/1、香港では万馬券扱いの馬だった。

そして掉尾を飾る賞金総額1000万米ドルのG1ドバイワールドカップ(AW2000m)、16頭立て。それまでの鬱憤を晴らすかのように、ホスト国UAEの上位独占、19年の歴史の中でゴドルフィン7回目の優勝をアフリカンストーリーで飾った。予想通り、ペースを握ったのはハムダン殿下のムカドラム、アフリカンストーリーは内の好位3~4番手から、4コーナー手前で2番手に上がり、後続を突き放した。

直線残り200mで先頭に立って2分01秒61、ムカドラムが2馬身4分の3差2着、その後ろは4馬身4分の1差が付いて大外からR3で4着したゴドルフィンのキャットオマウンテンが入った。バリードイルのルーラーオブザワールドは直前にオーナーが50%の権利を取って勝負服が変わった。しかし4番手を追走したものの直線はバテて13着、タペタの馬場を攻略することは出来なかった。

香港勢はミリタリーアタックが中団の後ろから見せ場なく10着、アキードモフィードが前団の後ろから流れ込んで5着。日本勢はホッコータルマエが絶好位の2番手で回ったが、最後はバテてしんがり負け、ベルシャザールは中団から早めに脱落して11着。日本のダート馬ではタペタは攻略出来ないことが良く分かる。

因みにムカドラムの半マイル通過は49秒94の平均ペース。タペタを含みオールウェザー競馬は初めてだったが、2000mのG1、プリンスオブウェールズS2着やエクリプスS3着の力がある先行馬だったから成し得た業だった。メイダン競馬場に変わってから、初年度は超スローペースで日本のワンツー、次の年はカーニバルを戦って来たゴドルフィンのワンツー、そして昨年はカーニバル以外のオールウェザー経験馬のワンツーだった。

今年はそのどれにも当たらない新しい組み合わせとなり、DWCの予想の難しさを改めて思い知らされる結果である。優勝したアフリカンストーリーは昨年アニマルキングダムの5着だった。7歳になったアフリカンストーリーにエースのシルヴェストレ・デ・スーザー騎手を乗せて来たのにもそれなりの理由があったのだろう。対照的にハムダン王子のプリンスビショップはスタートのミスが最後まで尾を引いて9着に終わった。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。

31th50*3

50*3