焼肉に呼ばれた。
おいしい地元の和牛が手に入ったというので。
夕方、仕事があったので少し遅れて会場に到着した。
すでに宴もたけなわだった。
自分が到着するとしばらくして従業員らが仕事で中抜けした。
その間、ママ、社長と相方と4人になった。
いろいろ話をした。
アルコールの力もあって社長はいつもより饒舌だった。
しかし、まだ5月。
夜が深まるにつれて寒くなった。
従業員らが戻ってきて肉を再び焼き始めたが、自分も社長も我慢できなくなって事務所へ入った。
事務所でくつろごうとしたとき、がたっと物音がした。
TVでもついているのかとTVを観た。
消えている。
ふと隣のモニターを観る。
すると横たわっているのがいた。
よく観ると何か出ている。
あれ?と思い、再び画面が切り替わるのを観る。
明らかに何かが出ていた。
大声で社長を呼ぶ。
社長はトイレの最中だった。
生まれてた。
外に出て従業員に教えに行った。
びっくりした従業員らはもうダッシュで現場へ。
すでにすべて生れ落ちたところだった。
あっという間の出来事だった。
安産。
一緒に観た。
手伝うこともできずただ立ち尽くしてるだけだった。
なにかしようにも初めての体験。
何もできなかった。
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