2012年6月1日金曜日

群を

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群を抜く賢さジェンティル3冠当確
2012年05月23日 12時00分
20日、GⅠ第73回オークスで桜花賞馬ジェンティルドンナ(石坂)が圧勝。史上13頭目となる牝馬クラシック2冠を達成した。他馬とは格の違いを見せつけるレースレコード、5馬身差Vで3冠当確――。そう断言できる圧勝の裏に何があったのか、検量室裏の取材から克明にリポートする。

 最高峰のGⅠで5馬身差Vはめったにない。過去5年間で5馬身以上の着差をつけたのは09年ヴィクトリアマイルでのウオッカの7馬身だけ。それ以前となると05年ダービーのディープインパクト(5馬身差)までさかのぼらなければならない。

 そんな名馬だけが演じてきた衝撃V。「ジェンティルドンナの力が抜けていたと思います」と石坂調教師。特筆すべきはレース後、何度もこの馬の長所として師が挙げた「賢さ」にある。その象徴ともいえるシーンがレース直前と、スタート後にあった。

「ゲート裏に向かう時点からテンションがだいぶ上がっていた。この時が一番ドキドキした」とは川田。パドックからイレ込み気味だったが、スタンド前のスタートということもあってゲート裏ではさらにテンションが上昇。ゆったり輪乗りする馬の中でひと際目立つほど小走りで気持ちを高ぶらせていた。

 こんなシーンを見せられてはひっかかって惨敗…。最悪のケースさえ考えられたが、スタートを切ると「すごくリラックスして走ってくれた。あとは仕掛けどころだけだと思った」(川田)。

 レース前の姿がうそのように折り合いがついた。まるでレースを知り尽くしているかのような気持ちの切り替え。1歳上の全姉ドナウブルーは3歳時、常にテンションが上がり、折り合いに用心しなければいけなかった。それが1世代で賢さ、レースセンス、爆発力…全てがバージョンアップした。これがディープインパクト産駒2世代目の爆発力なのだろう。

 今後は放牧でひと息入れ、秋の目標は10・14秋華賞。アパパネ以来の牝馬3冠を目指す。歴代の名馬にも匹敵する圧倒的な差で2冠をもぎ取った才女が、ひと夏越しただけで他馬に逆転を許すことなど決してあるまい。3冠当確――無事に秋の大舞台に駒を進められるかどうかだけだろう。

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