女王の意地と誇り、そして強運が、ハナ差で勝利を引き寄せた。ジェンティルドンナが史上4頭目となる偉業を達成。石坂調教師がホッとした表情を浮かべる。
「勝てる馬なので、勝ちたいレースだったので、何とか勝ってほしい気持ちでした。3冠にふさわしい馬。勝ててよかったです」
道中はリズムよく中団の外め10番手を追走。3、4コーナーから前の馬を捕らえに出た。直線はヴィルシーナと激しく競り合ったが、快挙達成を期待するファンの大声援に後押しされ、最後は首の上げ下げで前へ出た。トレーナーは「絶対能力があったからこそ3冠を獲れたんだと思います」と胸を張る。
素質の芽を摘まないよう育ててきた。調整役の井上調教助手は「今は男馬みたい」というが、調教では前に馬を置いたり、並列で調教したりと、デビュー前から一貫して我慢することを教えた。繊細だけに担当の日迫調教助手は「ストレスをかけないように」と普段から気をつけた。
「牝馬ですし、まだ目一杯の調整はやっていないつもり」と、上積みを期待するトレーナーは「世界に行かなければいけない馬」ときっぱり。3冠牝馬は、世界を相手に戦っていく。 (宇恵英志)
◆獲得賞金 ジェンティルドンナの2012年の年間獲得賞金額は、4億2816万8000円で単独トップ。
◆石坂正調教師の秋華賞成績 3頭目の出走で初勝利。これまでは2000年のマターラミツルの8着が最高着順。JRA・GIは9勝目。
◆サンデーレーシングのGI勝利 今年5勝目。通算29勝目。
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